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【はじめての仏教:真言宗とは】超天才空海の教えやお経など特徴10選

真言宗とは、お経
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 仏教と一言でいっても日本にはさまざまな宗派が存在します。今回とりあげるのは真言宗(しんごんしゅう)。歴史の授業で一度は聞いたことがあるかも?って人は多いかもしれません。

 

真言宗を開いたのは弘法大師として知られる空海さん。

 

天台宗の最澄と同じ時代に活躍した日本仏教界における偉大スーパースターです
あまりにもスーパースターすぎて「弘法、筆を選ばず」「弘法も筆の誤り」ということわざがあるように空海さんの偉業が現代まで残るほどです。

 

真言宗はどこかエキゾチックで神秘的な宗教、みなさんも好きな占いやおまじないもたくさんあるとか?

 

真言宗ってどんな宗教なの、お経は?本山は?などなどの疑問にわかりやすくお答えしていきたいと思います。今回は真言宗の世界をご紹介!スーパースターの活躍ぶりを一緒に見ていきましょう。

真言宗とはどんな宗教?

空海さんがひらいた真言宗の要点となる基本情報をまとめると次のようになります。

・開祖(宗祖)は空海

・はじまり(開宗の年):9世紀のはじめ・平安時代。

・教えの特徴:密教系。真言(マントラ)と曼荼羅(まんだら)を使う。悟りを開くと即身成仏になる。

・本山:金剛峯寺

・本尊:大日如来

・特徴となるお経:理趣経

ひとことで真言宗は、それまでの日本の仏教にはない、エキゾチックな雰囲気がある教えでした。仏教でエキゾチック?いまいちピンと来ないかもしれませんが真言宗には「文字で教えが表現できない」という考えがあるんです。「考えるのではない、感じるんだ!」的なことなのかもしれません。

 

文字で表現できないなら、何で教えを伝えるんだろう?と疑問がわきますよね。実は真言宗では特殊な秘密の呪文や祈祷を使うことで、仏の教えを実行します。

それまでの仏教は仏教の教えが大事とされてきたことに対して、真言宗の教えはとっても「実践的」。呪文や占いを実行することで人々の悩みを直接治そうとする仏教だったのです。本で勉強するだけではなく、とにかく実行するのが大事!というような最近のビジネス本に書いてあるような教えなのです。

 

真言宗をひらいた宗祖は空海さん。空海が真言宗という教えを中国の唐から日本に持ち帰ってきました。そんな空海さんの物語、真言宗のはじまりからおさらいしましょう。

真言宗の歴史・はじまり(開祖空海のお話)

真言宗は、平安時代の9世紀はじめ、空海によって中国から日本に伝えられました。年表でみるとだいたいこんな感じです。

806年 空海が留学先の中国・唐から帰って来る

816年 空海が高野山金剛峰寺を開設

823年 嵯峨天皇から教王護国寺(東寺)をもらい、真言宗の根本道場とする

それではこれを踏まえ空海がどのように日本に真言宗をもってきたのかその歴史をみていきましょう。

優秀な空海は遣唐使船で中国へ、密教を学ぶ

 

 讃岐国(今の香川県)に生まれた空海は小さい頃からとても優秀でした。記憶力や語学力がバツグンで「貴者(とうともの)」と呼ばれたそうです。空海は、普通は藤原氏などの中央貴族の子弟しか行けない大学に、地方豪族出身ながら入学しました。

18歳で都の大学に入学して成績優秀いつもトップでした。国のお役人になるような将来を約束されていた空海ですが、仏教の魅力に惹かれて大学を中退して修行生活に入りました。

そして31歳の時、優秀だった空海は中国へ勉強をしにいく留学生である遣唐使メンバーに選ばれます。空海は804年に遣唐使船に乗って中国に渡りました。4隻の船のうち、1番目の船に乗っていたようです。空海は名もなき一介の僧で、留学費用も通訳もなくなんの保証もない身分で中国に留学しました。遣唐使船に乗れたはいいものの、当時のきまりごとではなんと20年間の滞在期間が義務だったそうです!

 中国に無事とうちゃくした空海さん。そこで、当時中国の最先端思想だった密教(みっきょう)に出会います。優秀だった空海さんはその期待通り、唐に行ってわずか2年で、密教の教えを理解します。空海の名声はどんどん高まりました。当時、中国密教界ナンバー1の大阿闍梨・恵果(けいか)は空海の才能を見抜いて密教をどんどん教えたそうです。

空海、中国で密教を学んで日本に帰る

空海は恵果の教えることを全部吸収して、期待に応えます。そして恵果は、ついに空海に「伝法灌頂」を授けます。それはいったい何なの?と思いますよね。この伝法灌頂というのは密教の正式な法を教えるとても偉いお坊さんにのみ許されるお名前です。

ちなみに密教のとても偉い僧を阿闍梨(あじゃり)と言います。空海がもらった灌頂名は「遍照金剛」。遍照とは「あまねく照らす」という意味で、金剛は「ダイヤモンドのように固くて揺るぎない知恵」という意味です。とてもキラキラしたお名前です。

真言宗といえば、四国八十八か所が有名です。四国出身の空海は四国のお寺八十八か所を指定して、そこを信者さんがお遍路で回るんです。そのお遍路中に着る白衣の背中には「南無大師遍照金剛」と書いてあります。空海がもらった灌頂名ですね。それだけ灌頂名というのはありがたいものだったんですね。

 

 

 そして806年、空海は日本に帰国します。20年の留学期間の義務があったんですが、たった2年で成果を上げてしまいぐっと短く日本に戻ってくることができました。師匠の恵果は、帰国する空海に貴重な仏教の品々をたくさんプレゼントしました。恵果のお師匠様からもらった仏舎利や曼荼羅、袈裟、新しく作った曼荼羅、伝法阿闍梨の肖像画、その他たくさんの密教法具を渡したそうです。空海も、自分が持っていたお金のほとんどをお経や仏具につぎ込んで日本に持って帰りました。空海は帰国の時「虚しく往きて、実ちて帰る」という言葉を残したそうです。さてやっと日本に帰国することになった空海。日本で真言宗をどのように始めるのでしょうか。

空海が日本に帰国し真言宗が成立する

空海が中国から帰ってきたころ、日本の政治はあれていました。兄弟の平城天皇(兄)と嵯峨天皇(弟)が天皇位をめぐって争いがおきていました。平城天皇の愛人・藤原薬子とその兄が争いの中心にいたので藤原薬子の乱といいます。このように京都はとても政局が不安定だったのですが、空海が京都の高雄山寺(現在の神護寺)で争いがおさまるよう念じました。嵯峨天皇側の勝利を念じたそうで、空海の念が通じたのか、嵯峨天皇がみごと勝利。藤原薬子たちは処罰されました。

こういった経緯から、空海は朝廷=嵯峨天皇から大いに支持をもらって、空海さんの説いた密教を真言宗として貴族を中心に流行しました。

 真言宗、まずまずのスタートですね。天皇の支持をもらった真言宗ですがこのあと日本にひろがっていきます。東寺や高野山ができました。

このあとの空海さんの活躍や伝説の数々については別の記事でご紹介していますので、つづきが気になる方はこちらを参照してください。

【空海がわかる8つのポイント】空海の生涯と伝説、最澄との関係や違いみなさんきっと一度は耳にしたことであろう「空海」をクローズアップしていきます。 「偉いお坊さん」のイメージくらいはあるとは思うので...

 

さて次は、真言宗の教えの特徴についてまとめます。

 

真言宗の教えとは?真言宗の特徴

 

 真言宗の教えの特徴は、密教、真言(マントラ)と曼荼羅(まんだら)、そして即身成仏です。まず密教について、みてみましょう。

真言宗の教えの特徴①:密教系

 密教とは仏の「秘密の教え」を理解して悟りを開くという宗派です。密教に対する教えに顕教(けんきょう)があります。顕教はお釈迦様が救いのために説いた教えです。顕教では輪廻転生を繰り返して長い時間をかけないと悟りを開けないのですが、真言宗などの密教では正しく学んで修行すれば生きているうちに悟りが開けるとしています。

次に「秘密の教え」密教の独特の思想、真言(マントラ)と曼荼羅についてまとめます。

 

真言宗の教えの特徴②:光明真言と曼荼羅

 真言宗には文字で真理は表現できないという思想があります。そのため、秘密の呪文を使って仏の教えを理解していきます。この秘密の呪文を真言(マントラ)と言ってたくさんあります。

真言宗で最も大切な真言である光明真言(こうみょうしんごん)をご紹介しますね。

オン アボキャ ベイ 

ロシャナウ マカボダラ

マニ ハンドマ ジンバラ 

ハラバリタヤ ウン

 

と唱えます。フクザツ!だけど短めなので、案外簡単に覚えられるかも。

私この光明真言のテンポとっても好きです。

 

あと、曼荼羅(まんだら)という仏様の世界を描いた絵があって、この曼荼羅でも仏の教えを学んでいきます。空海は曼荼羅を中国からたくさん持ち帰っています。曼荼羅では、大日如来が中心に描かれていてその周りを他の如来や釈迦といった仏が囲んでいます。これは宇宙の真理を表すんだそうです。仏さまの見取り図ですね。

 

真言宗では曼荼羅を瞑想に使います。曼荼羅には「胎蔵界曼荼羅」「金剛界曼荼羅」といくつか種類があるんだそうです。とってもフクザツな曼荼羅。見たらきっと悟りに近づけるはずです。

こういう風に、文字ではなく、音、色、形で教えを伝えるのは密教系の特徴でもあります。では教えの特徴の最後、即身成仏についてです。

真言宗の教えの特徴③:即身成仏

真言(マントラ)や曼荼羅(まんだら)で仏の世界を学んで修行をつんでいくと、悟りを開くことができます。真言宗では、ある日、大日如来が悟りの境地を示しにやってきてくれるそうです。大日如来は宇宙の真理を体現した存在です。

宇宙の真理、とっても壮大!悟りの境地では、宇宙の真理である大日如来と一体となることで人間は生身のままでも仏になることができるんだそうです。これを「即身成仏」と言います。ちなみに、真言宗のキャッチフレーズは「この身のまま現世での成仏を目指す」です。

 独特な真言宗の教え。真言宗がエキゾチックと言われるゆえんですね。次は、宗派をとりまとめるお寺=本山についてです。エキゾチックな真言宗の本山はどんなところなんでしょうか。

真言宗の総本山

真言宗の本山は、高野山金剛峯寺(和歌山県)です。金剛は「ダイヤモンド」という意味でしたよね。高野山という山の中にあります。806年、唐から帰った空海は、仏様をまつるのはどこがいいかと念じながら持っていた三鈷(さんこ)を投げました。そして三鈷がおちた場所に金剛峯寺をつくったそうです。

高野山には、明治時代まで

①肉や魚を持ち込まない、食べない、

②女人禁制

というキビシイ掟がありました。

成り立ちも、掟もやはり独特ですね。

 

高野山金剛峯寺には1200年の歴史があり、国宝の多宝塔、五大力菩薩像、阿弥陀釈迦如来図などたくさんの国宝、重要文化財に指定されている建物、仏像、仏画、仏具があります。

じっくり観光するなら半日ほど、ささっと見るだけでも30分~1時間はかかるそうです。1000メートル級の山々に囲まれた土地なので、昔だったら辿りつくまで大変でした。今は車がなくてもバスやケーブルカーで登れます。季節のよいときに、ハイキングがてら散歩するのもいいですね。

それでは、次は真言宗の本尊(その宗派・お寺でトップの仏様)について見てみましょう。

 

真言宗の本尊は大日如来

真言宗の本尊の基本は大日如来です。大日とは「偉大な輝くもの」という意味があって、太陽神の性格を持ち、宇宙の根源とされています。大日如来は真言宗の大事な修行アイテム、曼荼羅の中心に描かれている仏様です。師匠である阿弥陀如来は、大日如来の隣に描かれていて、サポート役です。

 普通、悟りを開いた仏様は、欲がないということで質素な姿をしていますが、大日如来は最高の輝く存在なので、アクセサリーを身に着けています。

 真言宗では、ご本尊の大日如来に向き合って近づいて、悟りを開きます。仏教は宗派ごと、そして同じ宗派でもお寺ごとにご本尊が違っています。真言宗のご本尊は大日如来ですが、教王護国寺、金剛峯寺のご本尊は薬師如来です。また大日如来はいろんな仏様や不動明王の化身ともいわれてます。ややこしいですが、真言宗は他の宗教に比べて、絶対的に大日如来をまつるということでもないようです。

 

大日如来ってどんな仏像なのか?おすすめの大日如来の仏像についてはこちらを参考にしてください。

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不動明王も大日如来の化身とされ密教、真言宗の象徴的な存在になっています。不動明王の詳細はこちらの記事をみてみてください。

不動明王
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真言宗はお寺ごとに本尊が違っていると言いましたが、真言宗はやがて分派にわかれていきます。次に真言宗の主な分派についてまとめます。

真言宗の主な分派

 

真言宗は空海以降、新義古儀という二派に分かれました。新義派とは、平安時代の後期に、高野山にいた覚鑁(かくばん 生1059~没1143年)が真言宗の改革を試みてできた分派です。古儀派は、この改革に反対して空海以来の伝統を保つことを目指した分派です。高野山は古儀真言宗に含まれます。

新義派を立ち上げた覚鑁は高野山から追放されてしまいました。そして新義がさらに二つに、古儀が七つに分かれて、九つの分派ができます。また分かれて主要とされる十六派になりました。十六派はそれぞれ大きなお寺がとりまとめることになって、二寺追加されて真言宗十八本山と呼ばれるようになりました。ずらっと並べてみます。

 

  • 1番 善通寺(古儀) 真言宗善通寺派
  • 2番 須磨寺(古儀) 真言宗須磨寺派
  • 3番 清澄寺(古儀) 真言三宝宗
  • 4番 中山寺(古儀) 真言宗中山寺派
  • 5番 大覚寺(古儀) 真言宗大覚寺派
  • 6番 仁和寺(古儀) 真言宗御堂派
  • 7番 智積院(新義) 真言宗智山派
  • 8番 泉湧寺(古儀) 真言宗泉湧寺派
  • 9番 東寺(古儀) 真言宗
  • 10番 勧修寺(古儀) 真言宗山階派
  • 11番 随心院(古儀) 真言宗善通寺派
  • 12番 醍醐寺(古儀) 真言宗醍醐派
  • 13番 寶山寺(古儀) 真言律宗
  • 14番 朝護孫子寺(古儀) 信貴山真言宗
  • 15番 西大寺(古儀) 真言律宗
  • 16番 長谷寺(新義) 真言宗豊山派
  • 17番 根来寺(新義) 新義真言宗
  • 18番 金剛峯寺(古儀)高野山真言宗

ずらっと並べたうち、7番:真言宗智山派、16番:真言宗豊山派、18番:高野山真言宗は特に広まりまって有名になりました。ではせっかくなので、この真言宗の有名な三つの分派の特徴をそれぞれ見ていきましょう。

真言宗智山派:お経、総本山と東京の主な寺院

京都の智積院(ちしゃくいん)を本山とする新義派の一派。

主なお経は「大日経」「金剛頂経」です。覚鑁が起こした新義からさらに分かれた分派なので、「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」(弘法大師のご宝号)とともに、「南無興教大師(なむこうぎょうだいし)」(覚鑁のご宝号)と唱えます。

大本山には成田山新勝寺、川崎大師平間寺、高尾山薬王院があります。成田山新勝寺の別院深川不動堂(東京都江東区)、真福寺(東京都港区)も智山派のお寺です。

 

 

真言宗豊山派:お経、総本山と東京の主な寺院

奈良の長谷寺を本山とする新義派の一派。「豊山」というのは長谷寺の山号です。主なお経は「般若心経」です。江戸時代、徳川綱吉の生母・桂昌院が護国寺(東京都文京区)を建てて、江戸に豊山派のお寺がたくさんできました。

現在は全国に3000寺、僧侶5000人、信徒200万人をほこる真言宗有数の分派になりました。

総本山は長谷寺ですが、東京にある大本山の護国寺、総持寺の西新井大師も豊山派の象徴です。

奈良・長谷寺の階段はぜひ一度訪れてみて!

高野山真言宗:お経、総本山と東京の主な寺院

空海が開いた高野山金剛峯寺を総本山とする古儀派の一派。

主なお経は「大日経」「金剛頂経」です

空海以来の流れを保つことを目指している古儀派なので、「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」(弘法大師のご宝号)とだけ唱えます。

高野山東京別院、高野山さぬき別院のほか、高野山米国別院(ロサンゼルス)、高野山ハワイ別院、高野山上海別院と海外にも別院があります。

真言宗には現在、約50の分派があるそうです。さすが1200年の歴史をもつ真言宗。分派はたくさん分かれましたが、真言宗には経典もたくさんあるんです。そのうち主なお経を上げてみましょう。

真言宗の特徴的なお経

真言宗は文字で理解するものではないですが、仏教なので関係するお経はあります。本尊の大日如来に関する「大日経」、金剛界曼荼羅の元になる「金剛頂経」などです。「理趣経」(「般若理趣経」とも呼ばれます)というのが有名で、さまざまな欲望を肯定する記述があります。人間には欲望があるものだが、誤った道にいかずに悟りに精進するべきという教えだそうです。

これを、「欲望があるのは正しい」と書いてあるお経だと勘違いされてしまうこともあるそうですが。昔は高野山で修行している僧侶だけが「理趣経」を読むことが許されていたそうです。

ただし日常的にはどの宗派でも万能な般若心経が読まれますので般若心経をベースにしつつ、理趣経や金剛頂経、大日経をおぼえると便利かもしれません。

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また真言ですが本尊である大日如来は金剛界と胎蔵界で真言がことなります

金剛界は「オン バザラダト バン

胎蔵界は「オン ア ビ ラ ウン ケン」です。

梵字はサンスクリット語で下の通りで読み方は「バン」と読みます。

色んなお経を覚えよう唱えよう!

お経で修行はいいですが、では真言宗には大学があるんでしょうか。

 

真言宗の系列の大学はある?

真言宗の系列には、高野山大学、種智院大学、嵯峨美術大学があります。また大正大学は真言宗、天台宗、浄土宗が作った大学です。他にも、子ども教育宝仙大学、大阪千代田短期大学があります。

 また、真言宗系の高等学校もあります。洛南高等学校(古儀真言宗)、高野山高等学校(高野山真言宗)、成田高等学校(成田山新勝寺)などと、各宗派や寺に基づいています。また大阪の清風高等学校、清風南海高等学校、横浜の清風高等学校もあります。

 

種智院大学

 

 さすが、長い歴史を持つ真言宗、大学だけでなく高校まであるんですね。もちろん、お寺や信徒もたくさんです。まず、お寺についてみてみましょう。

真言宗の寺院数

真言宗には、日本各地に約12,000寺(『宗教年鑑』(平成22年度版)p50文化庁編)あるそうです。上にあげた真言宗十八本山ももちろん含まれます。ちょっと紹介しましたが、空海は出身地の四国に八十八のお寺を指定しました。これを四国八十八か所といって、信徒であるお遍路さんが1~88番のお寺を順番に巡ります。

 

昔は歩いてお寺巡りをしていましたが、今はドライブがてら車で行く人もいます。白衣に袈裟をつけ、笠をかぶって、金剛杖をつきながらお遍路するのが正統スタイルです。八十八か所のお寺でお札を納めます。四国八十八か所を99回巡礼した人は100回目から錦札(にしきふだ)というお札を納めることができます。1年に1回お遍路しても100年かかります!錦札ゲットは難易度が高いですが、まず1~2か所のお寺巡りを楽しんでみるのもいいんじゃないでしょうか。

 では、真言宗の信徒数どのくらいなんでしょうか。

 

真言宗の信徒数

 

真言宗の信徒数は現在約897万人(『宗教年鑑』(平成22年度版)p50文化庁編)だそうです。真言宗よりあとにできた浄土宗と浄土真宗の浄土系が1,930約万人なので、歴史の長さの割には少ないとも言えますが。同時期にできた天台宗が136万人なので、仏教の宗派の中では上位ですね。やはり「秘密の教え」密教系なので、ハードルが高いのでしょうか。信者数はともかくとして、空海は弘法大師として親しまれていますし、お遍路さんもありますし、知名度はバツグンですよね。さあ、まとめです。

まとめ

 真言宗について、ずっと見てきました。まとめると次のようになります。

  1. 真言宗は仏教の一宗派で、平安時代の9世紀はじめ、空海によって中国の唐から日本に伝わった。

  2. 優秀な空海は当時、中国で最先端思想だった真言宗を短期間で習得した。

  3. 密教系である真言宗の教えは真言(マントラ)、曼荼羅(まんだら)を使ったエキゾチックなもの。

  4. 真言宗の本山は高野山金剛峰寺、本尊は大日如来。悟りをひらくと宇宙の根源・大日如来と一体になる。これを即身成仏という。

  5. 真言宗は真言十八本山を主要として、現在は約50の分派がある。

  6. 信徒数は仏教の宗派の中では上位だが、歴史が長いわりに多くはない。系列の大学・高校はある。

 仏教の中でも「秘密の教え」密教である真言宗は、かなり独特な立ち位置にあるようですね。真言(マントラ)や曼荼羅(まんだら)をお寺で見かけたり聞いた人はいるでしょうか。ハマったら抜けられないエキゾチックな世界が真言宗には広がっています。その世界にどっぷりハマるのもいいですが、まずお遍路で気軽に散歩しながら楽しむのもアリなんじゃないでしょうか。

また仏像好きの視点からするとこの真言宗や天台宗のおかげでたくさんの仏像が作られました。

仏の姿を具現化することで現世にいきる我々に対して仏教の魅力・ありがたさを残してくれました。

空海さんや残してきてくれた人々に感謝しつつ、これからも美しい魅力的な仏像の数々をめでていきたいものです。

今回もお読みいただきまして誠にありがとうございました。

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