般若心経というのは、ありがたい悟りの境地にいくための方法が書かれた膨大なお経の大事な部分を266文字にぎゅっと凝縮したありがたいお経です。
266文字にしていただけでもありがたいのですが、大変恐縮ながら現代人である我々とっては何が書かれているのかイマイチわかりません。。
そこでさらに現代語訳した般若心経をご紹介いたします。ぜひ覚えてみてね。では、スタート!
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般若心経の現代語訳
觀自在菩薩が、奥深い般若波羅蜜多、つまり悟りに至るために必要な智慧を得るためにすべきことを実践なさっている時、あることを自覚されました。
それは、人の心身を形作る全ての要素には実体がなく、またそれはひと所に留まらず移りゆくということでした。
そして觀自在菩薩は、それを自覚されると、一切の苦しみや厄災が消え、仏様によって悟りの境地に導かれました。
シャーリプトラさん(呼びかけ)。人の身体を含めた全ての物質は、常に実体なく絶え間なく変化しています。つまり実体がなく変化するからこそ、物質なのだということです。
したがって、全ての物質は実体がなく変化が絶えないものなのであり、同時に、実体がなく変化が絶えないからこそ物質なのです。
物質とモノではない頭や心の働きも、同じように実体がなく変化の絶えないものです。
物事を受け止める感覚、物事についての具体的なイメージ、物事に対する意志や欲求、そしてそれらの頭や心の働きを取りまとめて理解することも、全てが実体なく変化の絶えないものなのです。
シャーリプトラさん。このように、万物の有り様は、実体なく移りゆくものなのですよ。
また物事は、何も無いところから生まれることはありません。そして滅してしまい何も無くなってしまうということもないのです。
汚いものとか清らかなものなど、人の価値観も存在しません。
また、この世のどこかで増えれば、どこかで減るものです(不足することもなく、満たされることもないのです)。
よって、物事は、実体がなく、留まらず、絶えず移りゆくもので、しかもどんな極端な立場にも立たないものなのです。
同じように、感覚も、イメージも、意志や欲求も、それらをまとめて理解することも存在しません。
人の心を動かすために必要な感覚器官とそれに対応する対象物も存在しないのです。視覚という感覚器官も、その対象物である物質も存在しません。聴覚もそれが聴き取る声や音も、嗅覚もそれが嗅ぎ取る香りも、味覚もそれが感じ取る味も、触覚もそれが察するモノの触り心地や重さや温度も存在しません。そして感覚器官を取りまとめる思考や人の認識する全ての物事が、存在しないのです。
したがって、眼で物質を見て心が動くという働きもない。
人が認識する全ての物事を思考することで心が動くということは、全くないのです。
このように、人の感覚器官も、その対象物も、そしてそれらが引き起こす心の働きも存在しないならば、そもそも悟りについて無知であるということすらなくなります。ということは、悟りについて無知である状態から脱しようと頑張ることもないのです。
老いや死のように、この世の全ての苦しみは悟りについて無知であるところから始まっていると説かれていますが、そもそも悟りについて無知であるということすらないのであれば、そこから発生している老いや死のような苦しみも存在しないし、苦しみから逃れようと頑張ることもまたないのです。
つまり、この世の苦しみも、苦の原因も、苦しみが滅することも、そのために修行することも存在しないのです。
そして、悟りに至るための具体的な智慧も存在しません。その智慧を得ることもないのです。
このようなことですから、悟りに至るために必要な智慧を得ようと拠り所にするが故に、悟りを求めて修行をしている者の心には、こだわりや固定観念がないのです。
このような修行者には、こだわりや固定観念がないので、恐怖もありません。
気持ちや思いがひっくり返ってしまうような不安定な心からは遠く離れているし、その結果、悟りの智慧が完成し、極まった境地に達するのです。
過去にも現在にも未来にも、いつの世も、悟りを得た者たちは、悟りに至るために必要な智慧を得るためにすべきことを拠り所にしているので、一切の真理を隅々まで正しく知ることのできる最高の悟りを得るのです。
これが、般若波羅蜜多、つまり悟りに至るために必要な智慧を得るためにすべきことを学ぶということなのです。
この偉大な真言。この偉大な悟りの真言。この上ない真言。この上なく肩を並べるものの無い真言。
一切の苦しみを除く働きは、真実であり、虚妄ではないのです。
ですから、般若波羅蜜多の真言を説きましょう。それは次の真言です。
「道のりよ。道のりよ。悟りの世界への道のりよ。悟りの世界への完全な道のりよ。悟りに達したぞ!めでたし!」
以上、悟りに至るために必要な智慧を得るための核心となる真言でした。
無理やり現代語訳してしまっている部分もあるので、ちょっと怒られてしまう部分があるかもしれませんが、ざっくりと般若心経の世界観を理解してもらえたらうれしいです。
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仏像の前で般若心経をとなえると、心がスッキリする気がします。意味を頭に浮かべながら般若心経を唱えると、また感じ方がかわってくるかもしれません。
ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
こだわり・固定概念なんて捨てて目の前の変化に一気一憂しない穏やかな心をはぐぐんでいくことの大切さが書かれています。
読めば、明日が楽になるかも。

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