【やさしい仏教】宗派による般若心経の違い<真言宗、天台宗、曹洞宗、浄土宗、浄土真宗など>


今の日本は、実は般若心経のファンが最も多い国かもしれません。

三蔵法師は、般若波羅蜜の思想を持ち帰り、まとめ終わると少しして亡くなってしまいました。その後、彼のお弟子さんたちが師匠も重視した般若波羅蜜の実践を図るべく、一つの仏教宗派を立ち上げます。それが、「法相宗」と呼ばれる宗派です。

 

法相宗と言えば、奈良の方々はピンとくる方もいらっしゃるでしょう。

興福寺や薬師寺は法相宗のお寺で、奈良には他にも法相宗の流れを汲むお寺があります。

唐の時代に、奈良の都から送られた遣唐使の中にお坊さんがいらっしゃって、その方々がその当時最先端であった唐の仏教思想を都に持ち帰ったのが始まりで、中でも道昭(どうしょう)というお坊さんは、三蔵法師に師事して仏教を学びました。このような奈良のお坊さんたちによって般若心経も都に伝えられ、以後今日に至るまで人々の心に寄り添い続けてきました。

 

さて、今の日本には様々な仏教宗派があります。皆さんのお家の宗派では、般若心経はお読みになりますか?

各宗派の般若心経をざっくりと見渡していきましょう。

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真言宗や天台宗の般若心経

 

天台宗真言宗では、護摩行やその他の勤行で般若心経がよく読まれます。

それも、お導師様が終わりの合図をするまでエンドレスで繰り返し唱えられる光景をよく目にします。

また、お写経でお題となるお経も般若心経で、お経に関わる修行法の中でもお写経は最も功徳が大きいものの一つとされています。

ちなみに、冒頭の「觀自在菩薩」は、天台宗では「カンジーザイボーサツ」、真言宗では「カンジーザイボーサー」と読むなど、天台宗と真言宗では読み方に違いもあるようです。

 

臨済宗や曹洞宗の般若心経

臨済宗曹洞宗黄檗宗といったいわゆる「禅宗」と呼ばれる宗派でも、般若心経はよく読まれます。自分自身の中にいらっしゃる仏様に気づくことを目的とする教義から重視され、研究されているようです。

 

浄土宗・浄土真宗・時宗、日蓮宗の般若心経

 

浄土宗浄土真宗時宗日蓮宗などでは、他に中心に据えるお経が存在することもあって、読まれる頻度は低いようですが、浄土真宗以外では勤行や法話などで登場することもあるようです。

 

このように、般若心経は日本の仏教においても様々な場で唱えられ、引用され続けています。

当然ですが、各宗派にはそれぞれの教義がありますので、般若心経も宗派それぞれの教義による解釈がなされます。

般若心経の解説書は多岐に渡るのはこのためです。

 

確かに、三蔵法師のまとめた般若心経やそれより遡って古代インドのサンスクリット語にまで起源を求めて日本語訳した般若心経の解説書と、各宗派がそれぞれ大切にしている教義が反映された般若心経の解釈とでは、各所で違いが生じていることは否めませんが、この多様な解釈も、般若心経という壮大なテーマの中に優れたお坊さんや研究者さんたちがそれぞれの魅力を見出した結果だということを思うと、とても素晴らしいことのように思います。

 

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