【見仏入門】No.12 東京都・九品仏浄真寺の仏像/阿弥陀如来像・お面かぶり(来迎会)


九品仏浄真寺(くほんぶつじょうしんじ)というのは9体の阿弥陀如来像(九品仏)を安置している東京・奥沢にある浄土宗の寺です。正式には「九品山唯在念佛院(くほんさんゆいざいねんぶついん)浄真寺」といいますが、近くの駅や学校など地域の名前としても使われるほど親しまれていますので、寺の名前も「九品仏」とだけで使われることも多いです。

東京では屈指の古刹として知れ渡っており、寺の周りは、自由が丘の高級住宅街の隣にあるにもかかわらず静かな住宅街に囲まれており、境内には緑も多く残されています。

境内の本堂の正面に3つの阿弥陀堂(上品堂、中品堂、下品堂)が並んで立っており、この中にそれぞれ3体の阿弥陀如来像(九品仏)が安置されています。

寺の境内にはもみじや銀杏の木が植えられていますので、この寺見物は、秋の紅葉時期が特にお勧めです。

九品仏浄真寺へのアクセス(自由が丘からも歩けます)

 

浄真寺は東京都世田谷区奥沢にあります。

東急大井町線で「自由が丘駅」の隣駅「九品仏駅」が最寄駅です。

九品仏駅はこじんまりした駅で、ホームは4両分の長さしかありません。5両編成の電車では、最後の車両はドアが開きませんので気をつけてください。

しかし自由が丘駅からも10分ほどで歩いて行くことができます。この町は自由が丘や田園調布の街とは違って、昭和の香りがする町ですのでそんなことを求めて街歩きする人もいるようです。

九品仏駅を出て右にまがると昔ながらの商店街(九品仏商店会)がありますが、その反対である駅を降りて左に曲がるとすぐに寺の参道入り口があり、両側に松並木のある長い石畳の参道が寺の総門まで続いています。

九品仏浄真寺の駐車場

お寺の東側に参拝者のために40台ほどの無料駐車場があります。

九品仏・浄真寺のサギソウ

仁王門をくぐった右手の池には「サギソウ」が咲く池があり、
8月~9月頃にかけて白い花を咲かせ、かわいい姿を見せてくれます。

まるでサギ(鳥)が飛び立つかのような不思議な花です

「サギソウ」の画像検索結果

九品仏浄真寺・ 阿弥陀如来像の歴史

「九品仏浄真寺」の画像検索結果

 現在の寺の場所には、室町時代後期から戦国時代にかけて、武蔵吉良氏系の吉良頼康(きらよりやす)が築いたといわれる奥沢城(おくさわじょう)がありました。

しかし、天正18年(1590)の豊臣秀吉の小田原攻めで小田原北条氏が滅びると、この城も近くの世田谷城とともに廃城となった。

延宝6年(1678)に武蔵国生れの高僧、珂碩(かせき)上人が江戸幕府よりこの地を賜り、浄真寺を創建しました。

 

珂碩上人は仏師としても優れた腕を持っていて、弟子の珂憶(かおく)上人とともに寛文7年(1667年)に9体の阿弥陀如来座像を完成しました。

そして、この像をこの寺に安置したのが、現在の九品仏です。

3年に1度開催される浄真寺のお面かぶり

このお寺では3年に1度「二十五菩薩来迎会(らいごうえ)」(別名:お面かぶり)という行事が行われており、この功徳にあやかろうとたくさんの人が訪れます。

この日は、本尊の釈迦如来のいる龍護殿(りゅうごでん)といわれる本堂(極楽浄土を願う現世の人々がいる世界、穢土(えど)という)と阿弥陀如来のいる上品堂(極楽浄土の世界)との間に長さが三十六間(約65m)のすこし桁(けた)の高い木の橋(白道:びゃくどう)を架けます。

 

そして上品堂より人々を来迎(らいごう)に導くとされる二十五菩薩(観世音菩薩、勢至菩薩、普賢菩薩など)の面をかぶった檀信徒(だんしんと)らが現れ、まず本堂にいる念仏行者(ねんぶつぎょうじゃ)を極楽浄土に導きます。続いて珂碩上人とともに信者が浄土に向かう「往相」(おうそう)が行われ、最後に浄土から現世に戻ってくる「還相」(げんそう)という儀式が行われます。

この来迎会は元禄時代から続くもので、関東で行われているのはここだけだそうです。特に来迎会で還相の儀式が行われているのはこの寺だけです。

東京都の無形民俗文化財に指定されています。

九品仏浄真寺・ 阿弥陀如来像の詳細

 

九品仏(くほんぶつ)は珂碩上人が弟子の珂憶上人とともに製作した9体の阿弥陀如来像ですが、室町・鎌倉時代の仏師が踏襲してきた正統派の寄木造の手法が使われている本格的な仏像です。

 

寄木というと皆さん箱根の寄木細工を思い起こしますよね。寄木細工の様な仏像

「仏像の寄木造り」とは仏像制作上いくつかの木材をはぎ合わせて仕上げる方法を言います。

「寄木細工」とは、様々な種類の 木材を組み合わせ、それぞれの色合いの違いを利用して模様を描く木工技術を言い、寄木技法をよりデザイン化させた技術と言えそうです。

 

九品というのは、、「観無量寿経」における「九品往生」の考えによるもので、浄土教における極楽往生の仕方を、上品(じょうぼん)、中品(ちゅうぼん)、下品(げぼん)にわけ、更にその3段階の中を上生(じょうしょう)、中生(ちゅうしょう)、下生(げしょう)の3段階に区分して、全体で9段階にわけて表したもので九品仏は、それぞれに従った阿弥陀如来像を9体あらわしたものです。

 

そのため9体の阿弥陀像如来像はみな少しずつ違った印相(いんそう)をしています。

印相とは仏像が手の形で表している表現のこと。

 

定印(左右の手の先を胸の前でそろえて合わせる形)を「上生印」、説法印(左右の手を胸の前に持ってきて手のひらを上向きにした形)を「中生印」、来迎印(右手を上向き、左手を下向きとした形)を「下生印」とし、輪をつくる仏の指が、親指と人差し指(上品)、親指と中指(中品)、親指と薬指(下品)などの接し方で区別しています。

「阿弥陀如来 印相」の画像検索結果

出展:まんぷく寺さん

この考え方は時代によっても変わってきているようですので、よく見て他の仏像などと比べてみるのも良い仏像勉強になりそうです。

 

九品仏としては京都の浄瑠璃寺(別称:九体寺)と双璧をなすとも言われますが、時代もかなり違うため、印相なども違っています。

 

その他、総門に近いところに閻魔様を祀る閻魔堂があり、その先に寺を開いた珂碩上人の自彫の像を安置していますが、こちらは毎月7日の開山忌の時にしか開かれません。

仁王門(別名:紫雲楼)の2階部分には阿弥陀如来と二十五菩薩が安置されています。

また、現世を表す本堂には、本尊である「釈迦如来坐像」が祀られています。 この像もかなり大きなもので、珂碩上人自ら手彫りされたと伝わっており、寄木造りの正統派の仏像で都文化財に指定されています。

 

また本堂奥に五劫思惟(ごこうしゆい)の阿弥陀仏が置かれています。

この仏はアフロヘアのような髪型をしており、この寺のご朱印も九品仏以外の絵柄として使われています。これはこの阿弥陀様が、多くの人々を救済するにはどうすれば良いかと長い年月の間、思惟を続けて修行していたら、いつの間にかこのような髪型になったといわれています。

 

寄木造りの九品仏や、アフロヘアの阿弥陀如来、近くの東京都唯一の等々力渓谷をセットにして涼しい日に散策を楽しんでみては。

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九品仏浄真寺の御朱印

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九品仏浄真寺の拝観料金、時間、宗派、電話など

正式名称

九品仏浄真寺

宗派

浄土宗

住所

東京都世田谷区奥沢7-41-3

電話

03-3701-2029

拝観時間・料金

8:00~17:00

無料

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