仏像の種類:菩薩(ぼさつ) PR

菩薩とは|仏像の種類や特徴 ~修行中の教頭先生は変身がとくい!~

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菩薩(ぼさつ)は修行中のホトケさま

 

 菩薩(ぼさつ)とは、如来(にょらい)の次にエラい位に位置しているホトケさまであり、学校のなかでは教頭先生にあたる、ホトケ界ナンバー2のホトケさまであると説明しました。

 

 教頭先生である菩薩は、お釈迦さまがまだ悟りをひらく前、つまり王子さまであったころの姿がモデルとされる、いわば修行僧のホトケさま。どうやったら真理が手に入るか、どうやったら校長先生である如来になれるかなぁ~と考えながら、修行をしています。

 菩薩は真理をもとめて、いっしょうけんめいに修行をしていますが、菩薩というのはその修業をしながらも、すでに習得度が高い状態で、すでに人々を助けている状態にまで達している仏さまを表します。菩薩はそれぞれに「宣誓!ぼくたちわたし達は~、◯◯の悩みを解決したい!◯◯を成しとげます!」と選手宣誓(せんしゅせんせい)のような誓いを立てながら修行をしていて、多くの菩薩は将来、如来(にょらい)になることを約束されています。お寺でも菩薩というのは、お寺の中心となる仏「本尊(ほんぞん)」としてもまつられる例がたくさんあります。

 

 

菩薩のひっさつわざは変身(へんしん)!

 

 菩薩の特技・ひっさつわざはズバリ「変身(へんしん)」です!ヒーロー戦隊やアメリカのヒーロー映画の中などでは、怪獣(かいじゅう)や敵(てき)が現れ、ひとびとがおそわれると主人公が変身をして、ピンチを救ったり、敵をやっつけたりします。菩薩もまさにそれと同じで、人々の悩みを助けるために変身をします。実際に、初期のウルトラマンは弥勒菩薩(みろくぼさつ)という菩薩のホトケさまの一部を参考にした、という逸話(イツワ)が残っています。

 

 菩薩のなかでもっとも基本的な姿をしている菩薩で、観音菩薩(かんのんぼさつ)という菩薩がいます。観音菩薩の変身する姿は33種類にもおよぶとされています。※ただし33種類というのは細かく定義されているワケではなく、たくさんの姿に変身することができるよ!という意味

 

 観音菩薩が変身する姿のなかでは、代表的な姿に、頭に11個の顔を付けている十一面観音菩薩(じゅういちめんかんのんぼさつ)、たくさんの手をもつ千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)などがよく知られています。

おもな菩薩の種類やその意味

十一面観音菩薩(じゅういちめんかんのんぼさつ)

まず初めにご紹介するのが、菩薩界のマルチビタミンのはたらきをもつ十一面観音です。

頭に11個の顔を持って、世の中の困っている人のことを絶対見逃さない!そんなやる気に満ちた観音様です。

頭の後ろの後頭部には1面だけ暴悪大笑面という笑っている表情の面が1つだけあります。 また中性的な魅力をもつ仏像が多いのも十一面観音の特徴ともいえます。

★やさしく詳しく解説★ こちらの記事では十一面観音のことをもっと詳しく、日本各地の十一面観音の代表的な仏像などもご紹介しています。

 

千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)

千の手を広げて、全ての人を救おうとする姿をしているのが千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)です。
京都・三十三間堂には1,001体もの千手観音がいて、お堂の中にズラーッと並び参拝者に波のように押し寄せてくるかのような光景は圧巻です。

十一面観音と同じく頭に11の顔を持っていますが、そこに加えてたくさんの手を持っていてより強力な力を示しています。

しかしこの千手観音は腕の数はなんと40本です。1,000本じゃないんです…!そこには色々とオトナの事情、仏師の事情があるようで、あまり深くつっこまないでくださいね(笑)ただ、中には実際に1,000本の手を持つ千手観音もあり、その千手観音のことを真数千手観音と呼ばれています。

 

★やさしく詳しく解説★ こちらの記事では千手観音のことをもっと詳しく、日本各地の千手観音の代表的な仏像などもご紹介しています。

地蔵菩薩(じぞうぼさつ)

「仏像」と聞いて、道ばたにあるお地蔵さまや、日本昔ばなしなどに出てくるお地蔵さまの姿を想像する人も少なくないと思います。道の傍らにたっているお地蔵さまは、とっても素朴で優しげ。かわいい、なんて思ってしまうこともあったりして。

お地蔵さまは正式名称を「地蔵菩薩(じぞうぼさつ)」と言って、この菩薩のなかまなのです。あまりにも身近にありすぎるので、エラいとか思わない人も多いと思いますが、お地蔵さまは仏像界のなかでは、けっこうエラい仏さまなのです

お釈迦さまが亡くなってから、後継者の弥勒菩薩が如来となって現世に現れるまでは、56億7000万年という気の遠くなるような年月がかかると言われています。

つまりわれわれが生きているこの時代には守ってくれる仏さまがいない!そんな時に登場したのが地蔵菩薩なんです。

この地蔵菩薩は地獄などの六道世界にも一つ一つ足を運ぶことをいとわない菩薩さまなんです。しかしそれには裏があって、なんと地蔵菩薩は閻魔大王の別の姿だったんです!
そのヒミツは下のリンク先を確認してみてください。

★やさしく詳しく解説★ こちらの記事では地蔵菩薩のことをもっと詳しく、日本各地の地蔵菩薩の代表的な仏像などもご紹介しています。

 

文殊菩薩(もんじゅぼさつ)

「3人寄れば文殊の智恵」って言葉でも有名な文殊菩薩。この仏像名のとおり文殊菩薩はとっても頭のよい仏さま。

普賢菩薩とセットになってお釈迦様の脇侍になったりもしますが、文殊菩薩は人気者の仏さま。ソロでもまつられたり、文殊菩薩が主役になってケライを引き連れる姿もあったりします。

聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)

 

勢至菩薩(せいしぼさつ)

 

普賢菩薩(ふげんぼさつ)

 

日光菩薩・月光菩薩(にっこうがっこうぼさつ)

 

虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)

 

 

 

 

 

菩薩の仏像のファッションチェック!(菩薩編)

 

 菩薩(ぼさつ)はお釈迦さまがまだインドでゆうふくな王子さまであった頃の姿をあらわしています。なので、菩薩の仏像は着ているものは王家の姿。きらびやかな仏像が多いんです。宝冠をかぶったり、ネックレスを付けたりと、たくさんのアクセサリーを身に付けています。手にたくさんモノを持ったりすることが多いというのも菩薩の特徴です。つまり一見すると顔も似ている如来ですが、この菩薩と如来は、ファッションで見分けることもできます。

 

 

 

菩薩がたくさんいるエリアが存在する!

 

 琵琶湖(びわこ)で有名な滋賀県では、古くから菩薩のなかまの観音菩薩(かんのんぼさつ)や十一面観音菩薩(じゅういちめんかんのんぼさつ)など、たくさんの菩薩のなかまが信仰(しんこう)されて大事にされてきました。琵琶湖を中心に、大きなお寺から小さなお堂まで、たくさんの菩薩のなかまがまつられています。

 

 なぜ滋賀県にこんなに菩薩のなかまが多いのかは、はっきりしたことはわかっていないのですが、京都と滋賀の県境にある比叡山(ひえいざん)という場所があって、ここは昔仏教を学ぶお坊さんたちが集まって、仏教を勉強する中心地であったことがあります。その頃、都であった京都から向かって、鬼門(きもん)と呼ばれる方角からは、良くないことがやってくると、都の人々から恐れられていました。

 

 当時の比叡山のお坊さんたちは、この鬼門にあたる方角を悪い気から守ろうと、その方角にある滋賀県の己高山(こだかみやま)という山に十一面観音(じゅういちめんかんのん)をたくさん祀って守ろうとしたことで、それをきっかけに観音菩薩をつくるブームが生まれ、たくさんの観音像が作られたのではないか、と考えられています。

 この己高山のある滋賀県長浜市では「観音の里ふるさとまつり」というお祭りが毎年開催されていて、そのお祭りでは周辺のお寺や小さなお堂が一斉にひらき、普段みれない仏像にたくさん会うことができます。ぜひ機会がありましたら、このお祭りにいってみてください!わたくしも何度かたずねていますが、とてもいいですよ!(お祭り期間でなくても、お会いできる仏像はたくさんあります)

 

お地蔵さまは実はけっこうエラい!

 

 

 

菩薩は女性?

 

 すでに観音菩薩などの菩薩の仏像を見たことがある方は、女性っぽいなぁ~と見えたことがあるかもしれません。菩薩のなかまには赤ちゃんを抱いた姿の観音さまもいます。

 

 変身が得意な菩薩は、修行中のシャカ王子がモデルであるため、性別はどっち?と聞かれたら、本来は男の人ということになるのですが、上記でも説明したとおり菩薩のとくぎは「変身」です。

 

 人々を救うなかでは、女性に姿を変えたほうが悩みが解決しやすいということもあると思います。もしかしたらそのような考えの中で、女性に近い姿をしている菩薩が生まれたかもしれません。観音菩薩は性別と超えた存在であると考えたほうがいいかもしれませんね。

なぜたくさんの菩薩(ぼさつ)が生まれたのか

 仏像のモデルは最初、さとりをひらいた釈迦如来(しゃかにょらい)だけがモデルだったのですが、人々のたくさんの悩みをかいけつしてあげようとした結果、たくさんの如来が生まれました。そしてたくさんの如来が生まれた結果、修行した菩薩もたくさんいるハズだと、それぞれの如来に対応する菩薩の種類もたくさん増えていきました。

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