仏像の種類:如来(にょらい) PR

如来とは|種類・特徴など ~校長先生はサトリパワーで超人に変身!~

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如来とは・如来はなぜエラいの?

 

 仏像にはランクがある仏像のみわけ方がわかるといろいろなことがわかってくる、ということがわかったところで仏教のシンボル、如来(にょらい)について説明していきます。

 

 如来(にょらい)とは仏さまの世界のなかで、校長先生と同じくとってもエラい位にある仏さまということは、今までの項目でなんとなくわかったと思います。

 

 

 それではなぜエラいのか?ということなのですが、一言で言うと仏教という宗教を初めて発明し、「悟り(さとり)」をひらいた人だからです。

 

 「悟り」とは、ひとことで表現するのはとてもムズかしいのですが、すべてのモノゴトを正しく理解できる力を持っていて、もう悩む必要がなくなったような状態のこと。真理をすべて把握して、ある意味人間としてのゴールに達している状態といえます。

 

 そしてその悟りの力で、たくさんの人の悩みを解決することができる力をもっているから如来はとてもエラい仏さまなんですね。

 

如来のモデルはゴータマシッダールタという王子様

 

 如来のモデルとなったのは、仏像とは?のところでもふれましたが、シャカ族の王子さまであった、ゴータマシッダールタという人。この王子さまは若いころに人生の問題にとても悩んで、その答えを見つけようと裕福な王族の生活を捨てて、修行の旅に出発します。

 

旅ではたくさんの困難がありましたが、その困難のすえについに「悟り」をひらき、シャカ族の如来ということで「釈迦如来(しゃかにょらい)」と呼ばれるようになります。別名として悟りをひらいた者という意味の“ブッダ”とも呼ばれます。

 

如来のなかまが続々と誕生!「如来グループ」の仏さまを見ていこう

 

 釈迦如来が導き出した、悟りは「仏教」という宗教として人々にひろがっていきます。

 

すべての人がしあわせになれる、人生の歩き方」である仏教が広がっていくと、釈迦の話とは別にたくさんの話が生まれていきます。その話のなかには釈迦如来以外にもたくさんの仏さまが登場するのですが、その主人公が時には「阿弥陀如来(あみだにょらい)」という仏さまだったり、「薬師如来(やくしにょらい)」という仏さまだったり、登場人物がかわっていくのです。

 

釈迦如来(しゃかにょらい)

釈迦如来はシャカ族の王子であったゴータマシッダールタが悟りを開いた姿。仏教の教え、根源をあらわす象徴となる仏さま。

つまり仏像のベースとなった仏さまで、ラーメンで例えると昔ながらのしょうゆラーメン。そこから塩ラーメン、味噌ラーメン、つけ麺などいろんなバリエーションが誕生してきたように仏像の世界も釈迦如来が生まれてから、いろいろな仏様が誕生し、それとともにたくさんの仏像が作られていきました。

 

阿弥陀如来(あみだにょらい)

西の方角の極楽浄土の世界にいて、人々を極楽へ導く仏さま。

阿弥陀如来は西の世界にあるとされる極楽浄土(ごくらくじょうど)からやってきて、亡くなった人を極楽浄土に連れていってくれるピーターパンのような仏さま。迎えに来てくれるときには、さまざまな楽器を持ったたくさんのケライたちを引き連れて大演奏を奏でながらやってきます。

今からちょうど1,000年前の平安時代の終わりのほうに、この阿弥陀さまブームが起こり、日本各地に阿弥陀如来さまがたくさん作られるようになりました。

 

薬師如来(やくしにょらい)

東の方角の浄瑠璃世界にいてひとびとの病を担当する仏さま。薬師如来は他の如来と違うのはリアルな悩みを解決することに特化しています。お医者さんのように病気を治してくださり、この世の現実的な願い事をかなえてくださる仏さま、それが薬師如来です。

 

【やさしく詳しく解説】こちらの記事では薬師如来のことをもっと詳しく、日本各地の薬師如来の代表的な仏像などもご紹介しています。

盧遮那仏(るしゃなぶつ)

宇宙の真理すべてを知るホトケ。華厳宗の本尊。

 

大日如来(だいにちにょらい)

宇宙の真理すべてを知るホトケ。真言宗の本尊。

大日如来とは教科書でも登場する空海さんや、最澄さんが勉強した「密教」の最高の位にいる仏さまで、「大日」という言葉は太陽と同じ意味。

太陽がなければ、地球やわれわれも存在することができなかったですよね。

それと同じように密教のおしえの中では阿弥陀如来や薬師如来をはじめとする他の仏様もすべて、大日如来が変身した姿と考えられているワケです。

そして大日如来は本当は2人いるとされています。1人は智恵を表す「金剛界(こんごうかい)」、もう1人は慈悲を表す「胎蔵界(たいぞうかい)」この2人の
大日如来で一つの世界をあらわしています。

 

【やさしく詳しく解説】こちらの記事では薬師如来のことをもっと詳しく、日本各地の大日如来の代表的な仏像などもご紹介しています。

 

 

如来の仏像のファッションチェック!

 

 如来のファッションはなんと、長い布1枚だけです。長い布をじょうずに体に巻きつけてローブのようなファッションをしています。すべてを悟ったホトケさまは着飾る必要がないというのでしょうか。まさにシンプル・イズ・ベスト!

 

 

如来のからだのヒミツ!悟って超人パワーが身についた!

 

 実は如来は悟りをひらいた時に「全身がかがやいてる」「手足の指がとても長い」といった人間ばなれした特徴がそなわった、というお話が伝わっています。その特徴は全部で32個あると言われいて、如来像の特徴は仏像からも見ることができます。

 

 古代より インドでは優れた人物には凡人と異なる様々な特徴があると考えられていました。一目でわかる大きな特徴が32相 、細くて分かりにくい点を数えると 80種あると言われています。仏像においては 原則として如来に備わった特徴として表されます。

ここではその代表的な特徴を紹介していきます。

 

その1:あたまがパンチパーマで盛り上がっている

 

 如来のファッションは昔のお父さんがよくやっていたパンチパーマ。小さな巻き貝が並んでいるように見えますが、実はこれはすべての毛が、ひと束づつ右回りに巻いて上を向いているのです。このパンチパーマですが正式名称は“螺髪(らほつ)”といいます。奈良にはこの螺髪のかたちをした“螺髪まんじゅう”というお菓子があるのですが、私は奈良に行くと毎回買って帰ります。美味しいですよ。

 頭のてっぺんが盛り上がっているのも、髪の毛を結い上げているのではなく、知恵がつまっていて大きなこぶのように盛り上がっている、つまりたくさんの智慧をホトケさまは持っているよ、という現れなのです。

極端な例ですがこんな仏さまもいます!五劫思维阿弥陀如来坐像

その2:眉間の中央にホクロのようなものがある

 

 眉間(みけん)の中央にあるホクロの様なものを白毫(びゃくごう)と言います。ゴータマシッダールタは修行の末、ついに悟りをひらいた際にこの白毫がピカっと光ったそうです。

 

本物の仏像では、なかなか白毫が白い毛であることはわかりにくいのですが、白くて長い一本の毛が右回りに渦を巻いて小さくなっていて、如来が人々を救おうとする時にその毛が伸びて、光を放つのだそうです。この白毫は如来だけではなく菩薩像にも時々見られます。

 

その3:耳たぶがのびて穴が開いている

 

 耳たぶは垂れていて穴が開いています。お釈迦さまが裕福な王子だった頃は豪華で大きな耳飾りをつけていましたが出家した時に全て外しました。けれども 悟りを開いた後もその穴だけは塞がらなかったのだそうです。

 

その4:舌は顔よりも大きくて、歯は40本

 

 如来の舌は薄くて広く長いため 舌を出すと顔をおおうほど広くなるのだそう。しかしそれを口の中に納めても邪魔にならない 上に、その舌は何を食べても美味しいと感じられるのだそうです。羨ましいですね。歯は40本ありますが 白くて歯並び も良いのだとか。人間は28本~32本と言われているので、仏さまは歯がとても多いのです。

 

その5:首のしたにある3本のしわ

 

 如来は上半身がガッチリして 胸板があります。肩も丸くふくよかです。マッチョすぎず、優しく頼りがいのある体格をしています。首には赤ちゃんのように三道(さんどう)という3本のシワがあり、ふっくらした感じを強調しています。

 

その6:指の間に水かきがあって、手がとても長い

 

 如来像の手をよくみてみてください。ホトケさまは元は人間ですが、手足の指の間にはカエルの様な水かきがあります。これは人々の救済に漏れがないようにするためだそうです。

 

 また指はすらりと長くて形がよく、腕も立って伸ばすと手が膝の上に届くほど長いと言われており、これもたくさんの人を救済できるようにするため、と考えられています。

その7:足のうらが偏平足で車輪の模様がついている

 

 長年、布教の旅を続けたお釈迦さまは足の裏のへこみがない、いわゆる偏平足(へんぺいそく)になりましたが、立った時に足裏が地面に密着して安定感があることから、人々にも安定感を与えました。

 

 足の甲の肉は盛り上がり、足裏には教えを 車輪の勢いに例えた千輻輪(せんぷくりん)という 模様があります。本物の仏像では、あまり足裏を見ることはできませんが、お寺には仏足石(ぶっそくせき)と呼ばれる、ホトケさまの足跡をかたどった石があり、足裏の千輻輪をみることができます。

 と、このように如来は信じがたい特徴を持っていたとされていますが、これも実際に持っていたワケではなく、ブッダが尊い存在であること、一般人とはかけ離れたチカラを持っていることを強調するため人々がつくっていった逸話(イツワ)なんだろうと私は考えます。

 

 

 これらの特徴は実際に仏像を見て、確認できるものもあれば、わかりにくく確認できないものもあります。どれが見れて、どれが見れないか、実際に仏像に会いに行ってたしかめてみましょう!

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