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【ブラ参りレポート】東京都・渋谷の仏像

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2019年を締めくくりは、なんと“渋谷”をブラ参り!渋谷に仏像なんてあるのー?そもそもお寺なんてあったっけー?

さすがにセンター街にはお寺はないですが(笑)駅からさほど遠くないエリアに歴史ある古刹があったのです!初心者の人はもちろん、様々な地方の仏像を巡って来た人でさえ、渋谷の仏像はノーマークだった…!という人ばかりでした!

 

朝の集合場所は渋谷区広尾の広尾公園。恒例の自己紹介コーナーでは、2019年に印象に残った仏像を紹介しました。このブラ参りをきっかけに仏像愛が高まり、地方まで遠征しちゃったという嬉しいエピソードもたくさん聞けました。

最初に訪問したのは、東江寺という臨済宗のお寺。広尾商店街の突き当たりにある山門をくぐります。おっと!東江寺に行くはずが祥雲寺の山門をくぐる!?

 

このエリアには、4つのお寺が密集しており、東江寺をはじめ霊泉院と香林院も江戸時代を通して祥雲寺の塔頭だったそうです。

現在はそれぞれ独立していますが、同じ境内にそのままあるという事ですね。

 

山門をくぐると右側に東江寺があります。すぐお隣がマンションという、さすが都心のお寺。

 

 

お堂の中は中央が檜舞台になっており、その奥に優美な聖観音坐像さまがいらっしゃいました。

 

 

先ずは外陣に座り、ご住職のお話に耳を傾けます。東江寺は、坐禅や写経など様々なイベントを開催していますが、仏像が目当ての人達を受け入れるのは今回がはじめてという事でした。

聖観音さまを拝観する前に、気の入る呼吸法と体操をレクチャーしていただきました。

大きく息を吸って〜(両手を横に開く)、止めて〜(親指を中に入れて握る)、吐く〜〜、声を出して!吐ききるー!!、最後はお尻をキュッと締める!!!ふぅ~~~~

 

おぉー…本当だ!

身体の芯がポカポカしてきて気が注入されたような気がしました(笑)

 

その後は、大きな声で般若心経を唱えました。こんなに大きな声で唱えるのは初めてです!全力の般若心経!!

 

聖観音さまにご挨拶を終え、いよいよ目の前で拝観です!教育委員会の説明によると、低めの髻やゆったりとしたお姿から平安後期の趣きが感じられ、玉眼や体の肉付きなどからは鎌倉時代の作風が感じられるということです。

 

まさかこれほどの美仏がいたとは…!参加者のみなさんも驚いた様子!

 

聖観音坐像

渋谷区指定文化財

鎌倉時代末期の作(14 世紀前半)

ヒノキ材寄木造

玉眼

 

次は、渋谷区東にある吸江寺(きゅうこうじ)を参拝しました。吸江寺(きゅうこうじ)という大変めずらしいお名前ですが、同じ名前のお寺が全国に3ケ寺あるそうです。これは、茶席で使われる禅語がもとになっていて、茶道と縁のある臨済宗独特のお名前なんだとか。

 

吸江寺は、渋谷の國學院大学に隣接していました。一見入り口がどこにあるか分からない小さなお寺ですが、渋谷からも恵比寿からも徒歩圏内にある由緒あるお寺です。

 

須弥壇には、聖観音坐像さまを中心として左に達磨大師坐像さま、右に伽藍神倚像さまがいらっしゃいます。これは、禅宗寺院にみられる安置形式とのことです。そう言われてみれば、手をかざして遠くを見る伽藍神さまと達磨大使さまがいらっしゃるのはどこかのお寺で見たことがあるかも!?

 

聖観音さまは、とても張りのある若々しいお姿でした。参加者の方からは可愛い〜!なんて言う声も!南北朝時代から禅宗寺院で活躍した院派仏師の作例に共通する像とのことです。

 

聖観音坐像

渋谷区指定文化財

室町時代の作(15世紀)

伽藍神倚像 (大権修理菩薩像)

渋谷区指定文化財

阿須地桃山時代~江戸時代初期の作

 

達磨大師坐像

渋谷区指定文化財

室町時代の作(15世紀)

 

午後の集合場所は渋谷駅前のヒカリエ!これから仏像巡りをするとは思えない集合場所です(笑)

 

渋谷のまちなかを集団が移動していく。この集団が仏像めぐりであることは誰しも想像していないでしょう!

 

最初に訪問したのは渋谷区東にある宝泉寺です。宝泉寺のお堂は一風変わった造りをしていました。ビルが立ち並ぶ都会の中に、突如と現れる静かな異空間でした。

 

お堂の中は、参加者がちょうど全員座れるくらい広々としていました。天井も高く、開放感のある堂内です。

お祀りされているのは、ご本尊の阿弥陀如来さまと薬師如来さま、そして、お布団の上に横たわった涅槃のお釈迦さまでした。

 

 

阿弥陀如来さまは、恵心僧都の作と伝わるイケメン仏。鎌倉時代後期に造られた阿弥陀如来さまですが、玉眼ではなく彫眼で造られており、螺髪も彫出されているという平安時代の古い様式が施されています。

阿弥陀如来立像

渋谷区指定文化財

鎌倉時代後期(13世紀後半)

一木割矧造

彫眼

 

お隣にいらっしゃる薬師如来さまは、源義経のお母さんである常盤御前の守り仏であったと伝わる“常盤薬師”さまです。かつては常盤堂というお堂があったといわれています。

 

 

最後に、ご住職がご本尊さまに御供えしてあるお菓子を全員にプレゼントしてくださいました!お供えしてあるものを直接いただくというのは、仏さまからのありがたいお裾分けをいただいたようでなんだか嬉しくなりました。

 

最後に訪問したお寺は…ごめんなさい!完全非公開なので、こちらで様子をお伝えする事ができません。渋谷金王丸縁の観音さまと銅造りの清水寺式千手観音さまなど拝観させていただきました。めちゃくちゃ素敵でした。

 

今回のブラ参りは本当にレアな仏像ばかりでした。最後のお寺に限らず、本来ならお檀家さん以外はお堂の中に入ることのない非公開寺院ばかりです。私たちのために特別にご対応してくださり本当にありがとうございました。とても貴重なお参りをさせていただきました!

そして最後の最後はネパール料理店で忘年会!この日そしてこの1年の仏像をみんなで語らって振り返って楽しみました!

参加してくださった方々も寒い中たくさん歩いて疲れたかと思います。最後までお付き合いくださり感謝です!また2020年もブラ参りを宜しくお願いします!

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参加した人の声