【ブラ参りレポート】神奈川県大磯エリアの仏像(慶覚院・善福寺)


10月のブラ参りは神奈川県中郡大磯町の慶覚院と善福寺を参拝しました!

当初の予定では、午前の部で王福寺を参拝する予定でしたが、当日はあいにくの雨…。雨では収蔵庫を開けられないということで、午前の部は中止となってしまいました。平安時代の薬師如来さまにお会いするのを楽しみにしていた方もいらっしゃったと思うのでとても残念です。またいつかリベンジしたいです…!

ということで今回のブラ参りは午後の部である大磯エリアのブラ参り。

大磯町は神奈川県の中央南部に位置する湘南地方です。平安時代に相模の国府が置かれ、源頼朝が鎌倉幕府を開くと、幕府と距離的に近いため大いに栄えたそうです。そんな時代背景もあってか、大磯町には歴史ある寺社があり、古い仏像や神像が残されています。

 

私の中で大磯と言えば、あの伝説のTV番組・オールスター水泳大会の聖地として知られる「大磯ロングビーチ」のイメージしかありませんでしたが(笑)(そもそも県外の人は、大磯ロングビーチを知らないという説も…)

 

大磯駅から歩くこと20分。最初に訪問したのは慶覚院です。実は、慶覚院も王福寺も数年前に訪問した事がありました。その時は大磯町〜足柄あたりを巡ったのですが、神奈川県で鎌倉以外にも古い仏さまがいらっしゃる事を知って驚いた記憶があります。

慶覚院のすぐお隣には高来(たかく)神社があります。明治の神仏分離前、高来神社が高麗寺だった時に祀られていた仏像が慶覚院に安置されています。

お寺に到着すると、恒例の自己紹介タイムです!小雨が降っていたので山門の下に集まり、仏像を好きになったきっかけや推し仏の話などをしていきました。今回は初参加の人や久しぶりに参加してくださった人が多かったせいか、自己紹介タイムがいつもより盛り上がっていました!ご住職に、拝観を10分押しでお願いしたくらいです(笑)

 

 

本堂の中には、高麗寺旧観音堂のご本尊である千手観音さまと旧地蔵堂のご本尊である地蔵菩薩さまがいらっしゃいます。その他、お檀家さん方が隠して守り抜いた複数の仏さまがそれぞれお厨子に入って並んでいました。

その中でも一際オーラを放っていたのは、右端に鎮座した大きな地蔵菩薩さまです!

 

(出展:大礒町ホームぺージ)

・神奈川県指定重要文化財

・カヤ寄木造

・玉眼

・像高約150cm

・鎌倉時代後期の作(1278年)

 

約150cmの坐像で片足を踏み下げて坐っておられます。お顔の内側に、建治四年(1278)の墨書銘のある鎌倉時代後期の仏さまです。

前回は外陣からの拝観でしたが、今回は大きなお地蔵さまをすぐ目の前で拝観させていただいて大興奮!目がキリッとしていて、若々しく引き締まった印象のお地蔵さまでした。

 

そして、お地蔵さまの脇にいらっしゃるのは矜羯羅童子と制咜迦童子。このお二人は不動明王さまに支える脇侍として祀られているのはよく見かけますが、お地蔵さまの脇侍になっているお姿ははじめてです。もしかしたら、元は不動明王さまがいらっしゃったのかも知れせん!?

 

須弥壇の中央には趣のあるお厨子があり、その中に秘仏の千手観音さまがいらっしゃいます。その昔、釣りをしていた漁師が海から浮かび上がって来た千手観音さまを見つけたそうです。長い間海に沈んでいたため、現在のお姿は傷みが進んでいるのだとか。千手観音さまは12年に1度子年にご開帳されます。それがちょうど来年の2020年。ご開帳は春に予定しているとのことです!

 

お厨子の前にはお前立の千手観音さまがおり、なんと脇侍には日光菩薩さまの月光菩薩さまのお姿が…こちらも元は薬師如来さまがいらっしゃったのでしょうか!?

 

その他、白山権現像や毘沙門天、半跏の薬師如来さま…など、謎多き仏像群を堪能させていただきました!

 

次に、慶覚院から歩いて5分くらいのところにある善福寺を訪ねました。善福寺に到着すると急に雨が強まり、私たちは雨宿りをするように本堂へ入って行きました。

 

到着すると、笑顔が素敵なご住職が待っていてくださり、善福寺の縁起などを詳しくお話してくださいました。

善福寺の開山は了源というお坊さんで、曽我物語の曽我十郎と虎御前の間の子であると伝えられています。また、平塚入道とも称し、相模国を訪れていた親鸞聖人のお弟子さんとなり善福寺を開いたと言われています。

こちらは、木造伝了源坐像

・国指定重要文化財

・鎌倉時代後期〜末期

・像高75.2cm

・ヒノキの寄木造

・玉眼

 

善福寺では親鸞聖人の像であると伝えられてきましたが、全国に分布する一般的な親鸞聖人の肖像画やお像のイメージとは違うお姿をしているということで、開祖の了源像として文化財登録されています。

 

親鸞聖人のイメージは、老僧であったり、白いマフラー(帽子 –
もうす)をして念珠を持っているのが一般的かと思いますが、善福寺で親鸞聖人像として信仰されてきたお像はそのイメージより若く、マフラーもせず合掌をしています。しかし、最近の調査では千葉県などにも同じタイプの親鸞聖人像がある事がわかったそうです。

常敬寺・千葉県野田市 伝親鸞聖人坐像

・千葉県指定重要文化財

・鎌倉時代後期

・ヒノキ材寄木造

・像高70cm

(出展:千葉県ホームページ)

そして、お隣にいらっしゃるのは阿弥陀如来さまです!

・神奈川県指定重要文化財

・鎌倉時代

・像高98.4cm

・割り矧ぎ造

・玉眼

「わぁ〜綺麗!!」と、阿弥陀如来さまに手を合わせる女性陣。この阿弥陀如来さまは、鎌倉時代の名仏師・快慶の端正な作風を忠実に踏襲した作例ということで、高い評価を得ています。

そう、快慶仏はパーフェクトなほどに美しくイケメンな仏さまばかりですよね!

 

快慶は、鎌倉時代に東大寺を再建した重源上人と深い関係にあったため、浄土信仰に深く共感し阿弥陀如来像を多く造っている事で有名です。快慶は自らを「安阿弥陀仏」とも称し、その称号にちなんで快慶の作風は「安阿弥様
– あんなみよう」と呼ばれています。

その中でも善福寺の阿弥陀如来さまは、京都・遣迎院や奈良・東大寺俊乗堂にいらっしゃる阿弥陀如来さまのような初期の頃の作風に近いように思いました。衣の着こなしがシンプルで、若々しくハリのあるイケメンです!

 

 

最後はお堂を出て解散!

その頃にはちょうど小雨になっていたので、みんなで平塚駅まで歩いて帰りました。冷たい雨が降る中、最後までお付き合いくださり有り難うございました。神奈川県のレアな仏像を紹介できて良かったです!

次回の仏像ブラ参りは12月を予定!ブラ参りがてら、今年1年を振り返る忘年会なんかもできたらいいなぁなんて思っています!また随時告知させていただければと思っております!お楽しみに!

参加された方々の感想