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【冬至に開帳】常楽院 (高山不動尊)の仏像-秘仏軍荼利明王を訪ねて

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「分け入っても分け入っても青い山」というのは種田山頭火の詩ですが、まさにこの詩が似合う山奥に鎮座する仏像があるのが、常楽院(高山不動尊)です。

 

埼玉県飯能市の山道を20分ほど車を走らせた山奥に、平安時代から続く歴史ある常楽院。
周囲に家はほとんどなく限界集落に近いこの神聖な地は、何世紀にもわたる歴史を刻んできました。

 

そして、その心臓部には、冬至の日に特別に開帳される仏像、軍茶利明王立像があります。冬至の日にはゆず湯に入ってゆっくり~というのが冬至の過ごし方ですが、私にとって冬至の過ごし方といえば、この高山不動尊の軍荼利明王です。その独特の表情と造形で、多くの人々を魅了しています。

 

山奥の静寂の中で、軍荼利明王が持つ威厳と慈愛が混じり合ったような表情をじっくりと眺めていると、心が洗われるような感覚に包まれます。

 

高山不動尊は、山の奥深くにあるため、交通アクセスが悪いのが難点です。しかし、その分、都会の喧騒を忘れて、静かな時間を過ごすことができます。
ぜひ、一度訪れて、この自然と歴史を積み重ねてきた高山不動尊の仏像の魅力を体感してみてください!

常楽院 (高山不動尊)の場所・アクセス方法

高山不動尊の住所は「埼玉県飯能市高山346」です。

常楽院(高山不動尊)への訪問について、公共交通機関と車を利用した2つの主要なアクセス方法を紹介します。

公共交通機関を利用する場合

西武秩父線の西吾野駅が最寄り駅です。西吾野駅から常楽院までは徒歩で約1時間の距離にあります。散策を楽しみながらの訪問に適していますが、歩く距離が長いため、適切な準備と体力が必要です。

車を利用する場合

飯能市街地からは国道299号線を秩父方面へ向かい、吾野トンネルの西側交差点で埼玉県道61号越生長沢線に右折します。その後、顔振峠方面へ進み、最初の三叉路を左に曲がり、飯能市大字上長沢方面へ進むルートがあります。

ただし、このルートは狭路であるため注意が必要です。また、西吾野駅方面からは車でのアクセスは不可能です。越生町方面からのアクセスも、県道61号線、奥武蔵グリーンライン、顔振峠を経由するルートが利用できます。

仏像リンク
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すれ違いが大変なので、注意して運転してください!

悲報、マイクロバスの廃止

毎年冬至の御開帳日には駅からマイクロバスが運行されていましたが2023年の訪問の際にそのルートが2024年から廃止されることが発表されていました。さすが人間には厳しい場所だ…

常楽院 (高山不動尊)の拝観方法・拝観環境・料金

拝観方法・拝観環境

高山不動尊の本尊、軍荼利明王像は、毎年1回、12月の冬至の日に開帳されます。ただし詳細は確認しておりませんが、正月三が日も開帳していると冬至開帳の時に管理されていた檀家の方から伺ったので、お正月も開帳している可能性があります。

仏像リンク
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お正月も可能性あり

本堂では、毎年冬至の午前11時から法要が行われます。これが終わると、お坊さん方が本堂裏の収蔵庫へ移動し、読経を行います。その後、参拝者は収蔵庫での拝観が可能となります。拝観時間は1~2時間程度で、12時半頃を目安に参拝者が途切れると終了してしまいます。したがって確実に拝観されたい場合は法要終了の前後に到着することをお勧めします。

ただご住職から事前にお電話で伺った話によると、14時頃まで見れるという話も伺ったので、僧侶や地元の方々がいればその時に声がけすることでもしかしたら拝観させていただける可能性はあるかなと思います。

軍荼利明王は収蔵庫内ですぐ間近で拝観することができます。

仏像リンク
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お昼までに到着しておくのが確実

拝観料

拝観は特に設定はなく志納です。

以上の情報を参考に、常楽院の訪問を計画してみてくださいね。

常楽院 (高山不動尊)の歴史・由来

高山不動尊の歴史は深く、以下にその概要と時代ごとの歴史をまとめます。

高山不動尊は、平安時代からの歴史を持つ可能性が高いとされています。しかし、古代・中世の詳細な記録はほとんど残っていません。木造軍荼利明王立像がこの平安時代の存在を物語っています。

中世

中世に関する記録として、「新編武蔵風土記」や「高山想記録」などの古文書があります。特に、無極に関連する記事が重要で、無極は龍隠寺の開山とされています。しかし、これらの記録は実際の出来事よりも、越生の龍隠寺との関係性を主張するためのものと考えられています。

近世

近世では、文政十三年(1820年)に起きた「一山使失」という大事件が記録されています。この事件は、高山不動尊の歴史において大きな節目となりました。

平安時代から近世にかけての主な出来事

主な年表

– 平安時代:木造軍荼利明王立像が作られる。

– 宝徳2年(1450年):無極による奉納文が存在。

– 長禄2年(1457年):無極により五大尊明王御影板面が奉納される。

– 天文年間(1532~1555年):不動堂が火災に遭う。

– 天正18年(1590年):不動堂を現在の場所に再興。

– 天正19年(1591年):徳川家康より朱印状を賜る。

– 元禄11年(1698年):三宝院宮より常楽院へ直未許可の旨が下される。

– 文政13年(1830年):「一山焼失」。その後、村全体で復興に尽力。

– 明治27年(1894年):智積院の末寺となる。

常楽院 (高山不動尊)の仏像について

高山不動尊/軍荼利明王立像【国重文】(平安時代)

飯能市立博物館に展示されている複製品

この高山不動の中心となるのがこの軍茶利明王像。立派な高さ約228.8cm、手足が非常に長くまるでNBAバスケットボール選手のような迫力があります。これはヒノキかアスナロの一木造で作られており、足のほぞから脇手のかなりの部分まで一材から彫り出されています。平安時代中期~後期の作と思われるこの像は、内ぐりがなく、全体的に素朴な造りをしています。

何よりも印象的なのはその表情。顔は小さく、下半身が長い特徴があります。体つきは、一木造の制約からか、やや硬めの印象を受けます。しかし、その顔つきはきわめて印象的で、マンガのキャラのような表情をしています。ドングリのような大きな目、力強い眉、前に突き出した頑丈な顎など、非常に特徴的です。口元は、上の歯を見せ、下唇を強く噛んでいるような様子が見受けられます。

現地の像は博物館展示の本像より深みのある色でした

 一般的な軍荼利明王像は、怒り顔で怒鳴り散らしているようなイメージです。一方、常楽院の軍荼利明王像はキャラ感が突出していて、怖さを笑い散らしているかのようにガハハ、と笑顔で語りかけてくるような気もします。異様な表情で悪魔も退散するかもしれませんね!

軍荼利明王
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軍荼利明王の衣は、全体的に素朴な印象を受けますが、膝の上でめくれ上がっている部分には強いひだが刻まれています。動きが感じられ、下半身にも力強さが表現されています。

軍荼利明王像の顔立ちや体つきは、山岳信仰っぽく威厳や迫力を感じさせるような気がします。素朴ながらも力強い造形で、関東地方の中でも随一の印象的な仏像の一つです。

高山不動尊/薬師如来坐像【県指定】(平安時代)

常楽院不動堂の本堂には、軍荼利明王だけでなく木造薬師如来坐像にも注目したいと思います。この69cmの像は、埼玉地域で最も古い仏像の一つであり、平安時代の古様を色濃く残しています、

薬師如来坐像は一木彫りで作られており、晩唐様と呼ばれる平安初期の彫刻技法を取り入れています。この技法は、この仏像の顔に色濃く残ります。目はキリッとした猫のように細く、鼻はまるで小山のように高く盛り上がっています。これらの特徴は、当時の関東地方の彫刻スタイルと融合しており、一木彫りの中でも特異な造形をしています。

この薬師如来坐像は頭の上のうずまき状の螺髪がとっても印象的。螺髪は、非常に高く積み重なっている点が印象的です。螺髪は、まるでソフトクリームのように、ふわふわと柔らかい印象を与えます。また、衣文には、大きなひだを平行に走らせる独特のスタイルが採用されています。それは波打つ海のように、力強く躍動感を感じさせます。

この薬師如来は、右手、左手、薬壺などの部分が後から補修されています。また、鼻先や背面の下部には欠損がありますが、それでも飯能が誇る平安時代の貴重な遺例として、大切に保存されていて山梨県の大善寺薬師三尊と並び、平安古様を残す重要な例として注目されています。

大善寺の秘仏薬師如来坐像

 

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山岳信仰について

高山不動も山岳信仰の中から生まれた可能性がありここでは山岳信仰について紹介したいと思います。山岳信仰は、日本の自然崇拝の一形態で、私たちの先祖たちが大自然の中で特に山々を神聖視してきた信仰です。この信仰は、日本の自然環境と深く結びついています。

山岳信仰の背景には、古来からの日本人の思想があります。平地に住む人々にとって、山は祖霊が鎮まる場所とされ、神秘的な存在でした。夕日が山に沈むとき、その姿はまるで異世界の入り口のようで、山がこの世とあの世を分ける不思議な境界線みたいに見えていたようです。

山は、木々や雲を生み出して、私たちに雨をもたらす存在であり、農業をしていた昔の人にとっては、山は雨をもたらす木々や雲の源として、生活に欠かせない存在でした。

そんな中特定の山々、例えば武甲山や大山のような、独立峰や周囲の山々よりも高くそびえ立つ山々は、特に信仰の対象となりました。初めは山の麓から拝まれていた信仰が、時代が進むにつれて、山頂での祭祀や修行が行われるようになりました。

この山岳信仰が宗教的な形を取っていき、中世以降に「修験道」として各地の山で確立しました。これは、山岳信仰が進化してできたもので、修行者たちが山で厳しい修行をするんです。金峰山や犬峰山、熊野など、日本中にそんな神秘的な山がたくさん存在します。

このように、日本の山岳信仰は、自然と人々の生活、信仰の深い関係を示しています。それは単なる信仰ではなく、日本人の生活の根底にある思想であり、自然との共生の精神を表しているのです。この高山不動もそのような背景も含み信仰されてきたものと想像しています。

高山不動尊を訪ねて

ここ最近は、車に乗って毎年冬至に高山不動尊を訪れるのがこの季節の恒例行事になっています。「あぁ年の瀬だ、この1年どんな年だったかな」と1年を振り返る存在がこの軍荼利明王になっている気がします。

秘境の中にありひっそりとした境内。山奥でひんやりとした空気の中で感じる軍荼利明王は深い信仰を感じます。軍荼利明王の表情は、威厳と慈愛が混じり合ったような、独特の魅力があります。山と仏が一体となった姿と地元の方々との触れ合いは、心が洗われるような感覚を覚えます。

しかし年々守ることが厳しくなってきている現状。高山不動尊は、山の奥深くにあるため、交通アクセスが悪く、また、高齢化などにより、訪れる人も少なくなっているように感じます。

この貴重な文化財を後世に残していくためにもぜひ多くの方に訪問いただき、その魅力を知ってもらいたいと願います。

常楽院(高山不動尊)の拝観料金、時間、宗派、電話

正式名称

高貴山常楽院(通称:高山不動尊)

宗派

真言宗智山派

住所

埼玉県飯能市高山346

電話

042-978-0027

拝観時間

毎年冬至の11時~12時30分(14時頃までの可能性も有)

未確認ですが正月三が日も開帳

拝観料金

志納

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地図

 

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