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【17年に1度ご開帳】愛知県・昌全寺の仏像-秘仏釈迦如来坐像を訪ねて

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17年に一度のご開帳があるという話を聞きつけ、友人を誘ってゴールデンウィークの期間を利用して愛知県の豊田市の昌全寺へと向かいました。

 

豊田市は何度か訪問していましたが、いつもは豊田市美術館の現代美術の展覧会に行くことばかりで仏像への訪問は今回が初めてとなりました。

 

ご開帳では地域の人々が老若男女大勢集まって聖観音坐像を囲んで17年ぶりの再会や17年後の未来について語る光景が印象的でした。

卵型の顔、想像以上に大ぶりな一木造りで迫力とかわいらしさを持ち合わせた平安時代の像で、ポスターの姿とはまた異なり、いい意味で裏切られた素晴らしい仏像でした。

昌全寺の場所・アクセス方法

昌全寺への訪問ルートですが、私は友人たちと名古屋からレンタカーに乗り、途中名古屋の七寺の仏像を拝観し、豊田の市内でランチを食べながら向かいました。

公共機関での訪問ルートについてご紹介いたします。公共交通機関の場合、愛知県岡崎市にある東岡崎駅から始まります。ここからアクセスする方法は二つあります。

まず一つ目の方法として、「とよたおいでんバス」の稲武・足助線に乗り、「どんぐりの湯前」行きのバスで「明川」バス停で下車します。このバス停からは、寺まで徒歩約30分の道のりです。このルートは、自然を楽しみながらのんびりと歩くのに適しており、散策がてら訪れるのにおすすめです。

二つ目のアクセス方法は、東岡崎駅から「足助病院」行きのバスに乗り、足助地域バス「あいま~る」を利用して「昌全寺」バス停で下車するルートです。この方法は、直接寺の近くまで行けるため、徒歩時間を減らしたい方やアクセスをシンプルにしたい方に適しています。

どちらのルートも、昌全寺への訪問には公共交通機関を利用することになりますが、訪れる際には時刻表を事前に確認してください。特に「あいま~る」の便数が非常に少ないのでしっかりと確認をして訪問をすることが望ましいです。

昌全寺の拝観方法・拝観環境・料金

拝観方法

2024年5月3日から5月5日の期間に、17年に一度のご開帳が行われました。

ご開帳の主要イベントとして、5月4日には午前9時から稚児行列が行われ、続いて午前10時からは御開帳法要が執り行われました。これに加え、5月4日と5月5日の午前9時から午後3時まで、聖観世音菩薩坐像が特別公開されました。

拝観環境

本堂の中心に聖観音が祀られていて、かなり近い距離で聖観音を拝観することができます。当日は近所の人がひっきりなしにお参りに来ており、老若男女から愛される存在であることを実感することができました。

拝観料金

この特別公開期間中、拝観料は無料でした。

昌全寺の歴史・由来

宝田山昌全寺は、聖観世音菩薩坐像を本尊とし、その像は恵信僧都によって自ら作られたと伝えられています。この寺は古くからの由緒を持ち、時代によって「蓮光亭」、「大慈閣」、「蓮光寺」、「蓮光庵」といった様々な名で呼ばれてきました。「五反田大慈園記」によると、寺の縁起は以下のように伝えられています。

大宝三年(703年)

  • 文武天皇の時代、行者従ノ小角と道蔵師がこの地に来訪。霊地であると感じた地で突如自然現象が起こり、丘、谷、池、洞が形成されました。一人の行者はこの地で修行に励み、仙山、田の丘(宝田の利)と名付け、観世音菩薩を安置しました。最初に建てられた屋は「蓮光亭」と呼ばれ、後に蓮光寺と改称されました。

  • 従ノ小角が朝廷に報告し、新羅王から観世音菩薩の像を賜り、寺の殿堂が建立されました。

治承三年(1179年)

  • 高尾寺の文寛上人が伊豆国へ下向する途中で神のお告げを受け、源頼朝に旗上げを進めました。

建久元年(1190年)

  • 源頼朝が上洛の途中で大慈閣に立ち寄り、父義朝の冥福を祈りました。多数の随兵が礼拝し、冥福を祈ったと記録されています。

建久六年(1195年)

  • 源頼朝と夫人の平政子が東大寺供置に参加するために上落途中、大慈閣に寄り、黄金を献じ、冥福を祈りました。

安貞元年(1227年)

  • 高尾寺の明恵上人が霊夢に導かれて法華経を奉納しました。

弘安四年(1281年)

  • 宇都宮貞綱が元の賊徒を撃つため筑紫に赴く途中、大慈閣に詣で、神馬を献じて戦勝を祈りました。

正慶元年(1332年)

  • 楠木正成が関東の軍議を窺うために大慈閣に詣で、普門品経を献じました。

建武元年(1334年)

  • 楠木正成が近士大豊正種を大慈閣に詣でさせ、黄金と神馬を献じました。

嘉慶年間(1387-1389年)

  • 郷民が苦しみ、当山に霊験があったため、殿舎を修し、大日経を三日三夜にわたり演説しました。

天文十八年(1549年)

  • 織田信長の老臣、平手中務大輔清秀が大慈閣に詣で、大日経を納め、信長の所業について祈りました。

永禄年間(1558-1570年)

  • 長期間雨が降らない中、光国和尚が大慈閣に祈り、霊験ありとされた事件がありました。また、疫病が流行し、多くの村民が亡くなったため、領主が法華経を転読し、大祭礼を行いました。

明治四十年(1907年)

  • 寺号を現在の宝田山昌全寺に改め、五反田全戸が檀家となりました。

昌全寺の仏像(聖観音坐像)について

昌全寺の聖観世音菩薩坐像は、高さが121.8cmで、主に桧材を使用して製作されています。この仏像は「寄木造」という技法で作られており、これは複数の木材を組み合わせて形を作る方法です。さらに、「彫眼」という技法も用いられていて、これは仏像の目をリアルに表現するために特別に彫り込む技術です。表面は「素地仕上げ」とされ、装飾が施されているものの比較的シンプルな外観を持っています。

この像の研究や年代推定においては、同じ足助地域にある平勝寺の観音坐像が重要な参考になります。平勝寺の像は1159年に作られたことが確認できる墨書銘があり、昌全寺の像と多くの類似点を持っています。例えば、二つの像は着衣の形状や装飾のパターン、印象的な表情のディテール(ふくらみのある上瞼や特徴的な耳の形など)が似ています。

しかし、両者の間には差異もあります。平勝寺の像はより肩が広く、肘や膝の造形が力強く表現されています。一方、昌全寺の像は上半身が強調され、横に広がるよりも垂直方向の造形が目立ちます。また、平勝寺の像は衣服の折り目が鮮明で彫りが深いのに対し、昌全寺の像は彫りが浅く、衣服のデザインがやや単純化されています。

これらの違いから、昌全寺の像は平勝寺の像よりも少し後、12世紀の末に制作されたと考えられます。この像は平安時代から鎌倉時代にかけての仏像彫刻の発展を理解する上で非常に貴重な遺品です。

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愛知県指定文化財に指定されたのは平成8年で、平成27年には愛知県文化財課の協力のもと大修復が行われました。修復作業は愛知仏像修復工房の横川耕介代表が担当し、法要後には横川さんからの解説がありました。

修復前の姿、宝冠の装飾なども確認できる

【過去の相方?!】香嵐渓 香積寺の毘沙門天立像について

昌全寺に到着する前に東海屈指の景勝地である香嵐渓(こうらんけい)の中心にある香積寺を訪ねました。この香積寺に祀られる毘沙門天ですが、仏像修復師横川耕介さんのお話によると、昌全寺の聖観音坐像と同じお寺にもともと祀られていた可能性が高いとお話がありました。香積寺を訪問したのは本当にたまたまだったのですが、まさか関連性があったとわかり驚愕でした。

香積寺(こうじゃくじ)の毘沙門天立像は平安時代に作られた像。この像の高さは170.8cmと、成人男性とほぼ同じサイズです。

毘沙門天立像は、頭と体が別々に作られ、後で組み合わされる頭体別木の挿首となっています。頭部を作るときに3つの木片を使い、髪の束となる髻は別で作る技法が使われています。体も同様に、寄木でありプラモデルと同様にいくつかの木片を組み合わせて作られています。

この像の腕や足など、身体の各部がどのように接ぎ木されているかですが左手は、肩から二つの部分に分けられ、右手も同様に細かく作り分けられています。

ちなみにこの毘沙門天立像は、香積寺の本堂右側の庫裏の土間に祀ってあり、参拝者は自由に拝観できるようになっています。

顔は後の時代に変えられてしまっているのですが、体も含め非常に古い時代の技法が作られていて、昌全寺の像とあわせて祀られていたらさぞかし壮観な光景だっただろうと想像します。

昌全寺の拝観料金、時間、宗派、電話など

正式名称

宝田山 昌全寺

宗派

曹洞宗

住所

愛知県豊田市五反田町ナギタ11

電話

0565-67-2306

拝観時間

2024年開帳時:5月3日〜5月5日 午前9時~午後3時

拝観料金

志納

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地図

 

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