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【秘仏訪問】神奈川県逗子市神武寺/秘仏薬師如来三尊像、十一面観音坐像

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12月13日、この日はとても 寒く真冬並みの気温だった。天気は晴れているが逗子駅を降りると、海に近い湘南の海風が体を包み込んで凍るようであった。

本来は33年に一度の御開帳で、ちょうど昨年(2017年)御開帳の年を迎えているのだが、 毎年12月13日の午前中だけ「すす払い」の行事の一環として、薬師堂がご開帳され、中の薬師如来三尊像をお目見えするという話を聞きつけて、神武寺へと足を伸ばした。

 

神武寺の近くには京急逗子線の神武寺駅があるので神武寺からハイキングが通常のコースではあるらしいが調べてみると、逗子駅の近くにカーシェアリングサービスがあったので、それを利用して神武寺へと向かった。

神武寺は逗子駅から車を利用して 約15分ほどのところ。神武寺の山に登る街道はとても狭かったが、しっかりと整備がされ対向車もなかったのでスムーズに登ることができた。

 

神武寺の駐車場は約10台ほどが停められるスペースがありそちらに停めて階段を登り本堂・薬師堂へ向かう。本堂は切通しの先にあり鎌倉含む、三浦半島のお寺という雰囲気が漂っている。

 

薬師堂は本堂とは少し離れたところにあり本堂を見下ろす形の高台に立っている。ついた時にはすでに多くの参拝客とご住職の読経が始まっており、檀家の方から「読経は始まっていますが、お気にせずご参拝ください」ということでご住職の読経を背中に受けながら本尊の薬師如来三尊像に手を合わせた。

 

 

薬師如来は宋風の面持ちを持つ室町時代の薬師如来。清涼寺式釈迦如来のようにこんもりと丸く膨れ上がり編み込まれているような螺髪がまず目に留まる。

普通の薬師如来は粒状の螺髪をしているけれどもこちらの薬師如来は円を描いて縄目の形で螺髪が刻まれる、いわゆる清涼寺式釈迦如来像に似た表現をされているのが特徴だ。

 

清凉寺式釈迦如来を学ぶ

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作風には南北朝時代から室町時代にブームとなった院派仏師の作との共通点を認められることができるそうだ。神武寺の縁起や様々な資料によると中世後半期以降の神武寺は1507年にすべての山を焼失、その後も1590年小田原北条氏滅亡の直後に同じく火災に遭ってしまいながらも薬師堂のみは焼け残ったという記録が残っている。これだけにとどまらず1604年にも火災を被るがそれでも薬師堂は無事であったと考えられている。

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そのようなことから考えると現在の薬師堂の本尊はこれらの様々な災害にも 幸い無事で今日を迎えているということが考えられる。

 

また腕はおそらく後補のものであると思われるが、手のひらの立体表現が生きているかのような写実的な表現がほどこされていて印象に残っていた。

 

 

脇侍となる日光菩薩月光菩薩は立像の形式をしており、こちらはきらびやかな飾り付けをし表情も柔和で穏やかな表情で参拝客を迎えている。薬師如来の脇侍には日光菩薩・月光菩薩。こちらは本尊とは少し異なり、雅な洗練された鎌倉時代~室町時代の仏像という印象である。

 

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薬師如来が 納められる厨子のまわりには十二神将が祀られている。十二神将の造形は荒々しく素朴さを残して 地元の地方仏師の作と思わしき雰囲気を放っていた。

 

 

薬師堂の参拝を終え本堂へと向かった。本堂にも仏像はたくさん祀られており、檀家の方のお話を伺うと本堂も普段は非公開となっており、この12月13日が基本的には一般公開の日であると言う。

 

 

本堂中央の祭壇右に祀られている十一面観音像に目が止まった。十一面観音の坐像というのは比較的珍しいが、非常に雅豊かな洗練された鎌倉時代の風格を漂わせている仏像である。

 

 

神武寺は地元のボランディアガイド先導でハイキングで訪れる人が多いようであり、皆リュックを背負ってトレッキングシューズを履いて汗を流しながら本堂に辿り着いていた。是非今度伺う際には自分もこの山の雰囲気を味わいながら登ってみたいものだと感じた。

神武寺の拝観料金、時間、宗派、電話など

正式名称

醫王山 来迎院 神武寺

宗派

天台宗

住所

神奈川県逗子市沼間2丁目1402

電話

046-871-4565

拝観時間・料金

毎年12月13日の午前中のみ

特別拝観料300円

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