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滋賀県吉祥寺の仏像-阿弥陀如来像・秘仏十一面観音立像を訪ねて

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10月の終わり、滋賀県の竜王町にある吉祥寺を訪ねました。吉祥寺には国の重文に指定されている阿弥陀如来が鎮座します。その阿弥陀如来坐像の姿は、おだやかな微笑とともに、私たちを極楽浄土へと導く来迎印の手を差し伸べています。

さらに今回、吉祥寺にはもう一つの秘仏・十一面観音立像と対面することができてしまいました!秘仏だけでなく近江のグルメもしっかり堪能して参りました。

今回は滋賀県・吉祥寺の仏像のご紹介となります。ぜひ最後までお読みいただければと思います。

吉祥寺の場所・アクセス方法

吉祥寺の所在地

吉祥寺は、滋賀県蒲生郡竜王町大字岡屋に位置しており、具体的な住所は「滋賀県蒲生郡竜王町大字岡屋1498番地」となります。滋賀県は日本の中央部に位置し、古くから歴史や文化が息づく地域です。竜王町は、その中でも自然や歴史的建造物が豊富に存在する場所として知られています。

最寄り駅からのアクセス方法

吉祥寺へのアクセスには、いくつかの最寄り駅があります。

  • 近江鉄道本線「京セラ前」駅
  • JR草津線「甲西」駅
  • 近江鉄道本線「桜川」駅

これらの駅からは、タクシーを利用することで吉祥寺まで簡単にアクセスすることが可能です。ただそれなりに距離がありますので後述のバスや自家用車でのアクセスをおすすめいたします。

バスを利用したアクセス方法

近江八幡駅から「東洋電機製造前」行きのバスに乗車し、「岡屋」で下車すると、吉祥寺まで徒歩2分と非常に近い距離となります。

吉祥寺の拝観方法・拝観環境・料金

拝観方法

吉祥寺の拝観は、事前の電話予約が必要です。

拝観環境

吉祥寺のお堂は、天井が高く窓も多いため非常に明るくなっています。明るい空間での拝観は、仏像のディテール、彩色などの美しい部分が鮮明に見えるため、仏像の魅力を十分に感じることができます。また、像自体も大きく、その存在感を感じられます。

料金

吉祥寺の拝観料金は「志納」となります。志納とは、訪れた人が心からの感謝や尊敬の意味を込めて、任意の金額を寄進します。

吉祥寺の歴史・由来

吉祥寺の成立と変遷

吉祥寺は、元々「岡屋山日向院浄慶寺」として天台宗の寺院でした。天元元年(978年)に創建されたこの寺は、寛文四年(1664年)に幡蓮社意誉上人の下で浄土宗へと転宗し、「吉祥寺」と名前を改めました。以前は大本山百万遍知恩寺に属していましたが、現在は総本山知恩院に属しています。近世に入ると、旗本有馬氏の菩提所となり、地方の代官や田所、市岡両家からの篤い信仰を受けて繁栄しました。

吉祥寺の本堂

旧本堂は、宝暦10年(1760年)に再建されてから2510年経過しました。新しい本堂は平成20年(2008年)に竣工し、その翌年に落慶法要が行われました。

文化財と建物

また、山門には解体時に見つかった鬼瓦に、安永6年(1777年)の記載があり、230年以上経過していると推察されます。

境内に建つ観音堂の創建や開基の詳細は不明ですが、その中の本尊、十一面観世音菩薩は町の指定文化財として保護されています。この菩薩は、古来より三十年毎に大開帳が行われ、平成三十五年(2023年)に開帳されました。

釣鐘堂の再建落慶法要は、平成19年(2007年)に行われました。梵鐘は、昔は延享4年(1747年)に鋳造されたもので、その余韻は遠くまで響いていましたが、戦争のために供出されてしまいました。現在の梵鐘は、昭和38年(1963年)に鋳造されたものです。

吉祥寺の仏像について

吉祥寺・阿弥陀如来坐像(国重要文化財)

仏像リンク
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平安時代なのに鎌倉時代のような男性的な印象だぁ

滋賀県にある吉祥寺の本尊として本堂の中央に坐する阿弥陀如来坐像は、国の重要文化財に指定されている像です。この仏像は平安時代後期の作とされておりますが、その制作者は謎に包まれています。

阿弥陀如来坐像はおだやかな微笑を浮かべる顔立ちをしているようで、その姿は観る者に穏やかさを感じさせます。特に、両手の第一指と第二指を捻じる独特な手の形、これを「来迎印」と呼びます。この印は、死者を極楽浄土へ迎え入れる姿を表すものです。彫刻自体は約83cmという大きさで、檜材の寄木内刳りの方法が用いられています。

個人的に感じた印象として興味深いのは、この仏像の様式について阿弥陀如来像は平安時代の作であるにも関わらず、鎌倉時代を思わせる男性的な凛々しさを感じました。飜波を交えた衣文や、胴が少し長めであることなど、定朝様成立以前の様式の影響を感じさせる部分が見受けられます。これらの特徴から、この仏像が在地の仏師の手によるものではないかと考えられています。

また、彫像の由来について明確な情報はありませんが、平安時代の多くの仏像は荘園領主との関係で興福寺系寺院の佛が多い中、この阿弥陀如来は天台浄土教の教義のもとで制作されたと考えられています。

住職のお話、「斜めからの姿が最も美しいと思うんです」とのこと。なるほど。斜めのこの角度から見ると、細やかに彫り込まれた螺髪や、少年のような姿に感じます。

仏像リンク
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 阿弥陀来迎のばしっと完璧な布陣だ!

まとめると、吉祥寺の阿弥陀如来坐像は、平安時代の作でありながら鎌倉時代の特徴を持つ、国の重要文化財としての価値が高い像です。その詳細な彫りや、来迎印の手の形、そして少年のような姿が特徴的であり、訪れた際にはぜひ、住職がおすすめする角度からその美しさを堪能してみてください。

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吉祥寺観音堂・十一面観音菩薩(町指定文化財)

本堂に隣接する観音堂。こちらの堂内には、通常は人々の目に触れることのない秘仏として安置されている十一面観音立像が存在します。

実は私たちが訪ねた10月末その前週に大開帳があったようで「うわぁ~」と思っていましたが住職がまだ扉を閉めていなかったそうで、ご住職のご厚意で十一面観音菩薩を特別に拝観させていただくことができました。

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観音堂の扉の中に等身大の非常に大きな像。この立像は、古くから伝わる伝説によれば、推古天皇の時代、598年に建立されたと言われています。

この観音立像の特徴を紹介しますと像高は178cm、頭の上には髻をもっており、その周りには小さな仏(化仏)が配置されています。立像の右手は下におろされ、左手には花筒を持っています。また、全身に金箔が施されているのですが、これは後から修理の際に施されたものであるとのことです。

さらに、滋賀県教育委員会の文化財保護課による調査で、この観音立像には興味深い特徴がいくつかあることが明らかにされました。まず、立像の身体に巻きつけられた布や腰を包む布のひだが非常に太く、力強く刻まれている点。これにより、この立像は平安時代中期頃の作品である可能性が高いとされています。また、目に玉眼という特徴がありますが、この玉眼は鎌倉時代以後に見られる特徴です。したがって、修理時に仏師が新たに加えたのではないかと考えられています。

十一面観音菩薩は観音堂の主としてその堂々たる姿を我々に力強く見せつけてくれてました。

岡屋氏佛十一面観世音菩薩の御詠歌

にしみなみ みだかんのんの ひかりうけ

だいじ だいひの きちじょうのには

ひにむかう おかやのさとの かんぜおん

ゑにし あるみは きちじょうをゑん

おこたらず ただひとすじにねがうひと さいなん あれば みがわりにたつ

 

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近江グルメ!隠れた魅力: 近江牛焼肉「万葉」

近江までせっかく足を運んだのであれば、その土地のグルメも味わいたいですよね!

今回訪ねた近江の味は「近江牛」!

そんな近江牛をたっぷり味わえるお店がこちら

近江牛焼肉「万葉」

「万葉」は、近江牛専門の焼肉店で、滋賀県には東近江市と八日市市、さらに大阪本町にも店舗があります。特に注目すべきは、「極上近江牛5種盛り」と「万葉御膳」の2つの定番コースです。これらのメニューは、近江牛の美味しさを余すことなく堪能できるコースとして人気を集めています。

万葉御膳

近江牛の特徴

近江牛は、滋賀県を代表するブランド牛として知られていますが、その特徴として次の点が挙げられます。

肉質

近江牛の肉質は非常にきめ細かく、滑らかで柔らかいのが特徴です。さらに、美しい霜降りがあり、甘味のある脂が特徴的です。脂質の部分でも近江牛は特異性があり、繊細な旨味と脂味が特徴。また、独特の粘り気を持つ脂質が含まれているのも魅力の一つです。

歴史

近江牛の歴史は非常に古く、彦根藩だけが牛肉の生産が許されていた時代もあります。このような歴史的背景も、近江牛の貴重さや品質を裏付けています。

希少性

近江牛は滋賀県全域で飼育されていますが、年間の出荷数が6,000頭と限られているため、その希少性が高く評価されています。

吉祥寺の訪問の際に「万葉」で近江牛を堪能することは、旅の思い出として特別なものとなるでしょう。近江牛のきめ細やかな肉質や香り、そして脂の旨味は、一度味わうと忘れられない美味しさです。その上、歴史や希少性も含め、近江牛は日本のブランド牛としての魅力をたっぷりと持っています。

個室でジューシーなお肉をたくさん食べれて大満足!

個人的には御膳についていた近江牛コロッケもめちゃくちゃ美味しかったなぁ。

(食べログ)万葉 八日町店

旅を終えての感想

吉祥寺の阿弥陀如来坐像の前に立ち、阿弥陀坐像の爽やかな凛々しさが吹き込んできました。その姿は、平安時代のものでありながら、なぜか鎌倉時代のような力強さ、男性的な印象を強く受けました。

来迎院は、私たちを温かく迎え入れるかのようで、時の流れを忘れ、その場の空気に溶け込むような感覚に陥りました。そして、住職の言葉「斜めからの姿が最も美しい」という言葉を思い出し、そのアングルから像を見上げると、その言葉の意味が心に響きました。細やかに彫り込まれた螺髪、そして少年のような無邪気さをも感じる姿。阿弥陀如来でこの感情はなかなか感じないかなぁと思いました。

そして近江牛めちゃくちゃ美味しかったなぁ~

吉祥寺の拝観料金、時間、宗派、電話など

正式名称

岡屋山 吉祥寺

宗派

浄土宗

住所

滋賀県蒲生郡竜王町岡屋1498

電話

0748-58-1325

拝観時間

拝観料金

志納

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地図

 

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■東北エリア

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■関東エリア

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■関西エリア

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