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【撮影可!】注目の仏像展:浜松市美術館「みほとけのキセキ -遠州・三河の寺宝展-」へ行ってきた

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桜が満開になり始めた2021年3月末。かねてから楽しみにしていた浜松市美術館での仏像展覧会「浜松市美術館「みほとけのキセキ-遠州・三河の寺宝展」が開催されたということで静岡浜松市へ行ってきました!

浜松市美術館は市内の中心部に位置する浜松城に隣接する美術館で、浜松城の周囲にはたくさんの桜が咲き乱れその桜を目的に多くの観光客で美術館の周りは賑わっていました。

過去何度か浜松には鰻を食べに来たり、餃子を食べに来たり、そして仏像を見に来たりと

何度か足を運んでいましたが美術館に伺うのは初めてでした。

 

今回の展覧会事前情報でご存知の方も多いかなと思うのですが、なんと展覧会の仏像全て写真が撮り放題!なんと太っ腹なお寺と主催者!

 

最近はこんな展覧会増えてきましたね、写真撮影禁止のところが多く、記憶にとどめようとするも仏像ファンとしては記憶だけでなく、やはり記録にも残したいたいのが人間の本性(笑)この企画もあったせいか展覧会の会場は多くの観覧者で賑わっていました。

今回はそんな展覧会で紹介されていた、一部の仏像を紹介したいと思います!

 

釈迦三尊像(方広寺)

解説文
南北朝時代の権力者・足利氏と接近し、 勢力を拡大したのが院派の仏師たちである。 やや俯き加減の姿勢や、大小の箱を積み上げたような四角いプロポーション、うねる様に複雑に折り重なる衣文の表現は、院派仏師特有のものである。 方広寺の釈迦如来及 び両脇侍坐像は、院吉、院広、院遵という、 院派の中核仏師が制作したことが、裳先の裏面の銘記から判明している。

仏像リンク
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優雅!という言葉がまず浮かびます。この時代の仏像はやや顔の大きさか少し大きいのかな。これはお寺で属に言う「見られる」距離を意識しての大きさだったりするのでしょうかね。脇侍の含め、ぬかりなく彫り進める仏師の気概を感じます!

 

千手観音立像(摩訶耶寺)

 

解説文
平安時代前期以降、日本では仏像の材料に木を多用するようになり、頭体幹部を一木から彫り出した(一木造)、造形力が高く美しい仏像が多く制作された。摩訶耶寺の千手観音立像は、一木造ならではの重量感が感じられる。やや形式化してはいるものの、膝部の衣に平安時代前,中期に流行する翻波式衣文(大波と小波を交互に表す衣文)が確認でき、平安時代中期の古様が伺える。

仏像リンク
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過去何度か訪問したことのある摩訶耶寺の千手観音さん。何度見ても観音なんだけれども女性的だなぁという印象をもっています。その理由の一つに唇に朱色がほどこされていまして、古さと女性的な魅力を纏っています。

今回の展覧会では展覧会の中盤頃に登場し360度ぐるっと観音像を拝観できるようになっていました。展覧会ではスーパースターの位置付けです!

摩訶耶寺さんは三ヶ日ICの近く。割と気軽に仏像訪問させてもらえるお寺なのでぜひ多くの方に訪ねていただきたいお寺の一つです。こちらの千手観音竹でなく重要文化財の不動明王や阿弥陀如来などたくさんの仏像が祀られていますよ。

馬頭観音坐像 長楽寺(浜松市北区) 鎌倉時代・13~14世紀

解説文

髪は炎のように逆立ち(焔髪)、頭に馬の全身像をいただく。顔は3面で激しい怒りの表情を表す(憤怒相)。3面ともに額に縦向きの目がある。首には3本の筋(三道)を彫り出し、胸飾りをつける。胸の前で親指、中指、小指を立て、人差し指と薬指を曲げて合掌する(馬口印)。全てのひじと腕に飾りを表す(腎釧·腕釧)。右ひざを立て、左右の足の裏を合わせる(輪王坐)。起伏のある鋭く緊張した顔、彫りの深い複雑な衣文表現、脇手の力強さ等から、鎌倉時代の制作と考えられる。

馬頭観音では、馬は頭部のみ造像されることが多く、全身像である点は珍しい。持物の斧に竜の頭と蛭巻きが施されている点も特徴的である。

仏像リンク
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こちらの仏像はこの展覧会まで知りませんでした。力強い馬頭観音。一見すると木製ではなく銅でできているのではないか?と思うような全体的なツヤ感が出ていました。写実的というよりも若干デフォルメされたアニメや漫画に出てきそうな元気ハツラツとした馬頭観音です。

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不動明王立像、矜羯羅童子、制吒迦童子

一木わりはぎ造り、彩色(切金文様) 平安時代後期·12世紀

 

解説文

不動明王立像(中)は頭頂に花のように髪を結い、巻髪で、左肩に編んで東にした髪(弁髪)を垂らす。右目を開いて、 左目を下にすがめ(天地眼)、右の下牙、
左の上牙をむき出す。首には3本の筋(三道)を彫り出している。左肩から条吊を掛け、裾、 腰布をつける。

腰布にわずかに線状の金属箔を接着した文様(切金文様)の彩色が残る。左手に綱(羂索)を握り、右手には後補の剣を持つが、当初の剣も残り、貴重である。ひじと腕には飾りを彫り出す(腎釧·腕釧)。腰を右に捻り、左足を踏み出す。安然(承和8年(841〉年?~?年)が整理した「不動十九観」
をもとにした作例で、平安時代後期の典型的な姿である。

脇侍の矜羯羅童子立像は両手で蓮を持ち、制旺迦童子立像(左) は右手を額にかざす。腰高なプロポーションが3駆に共通しており、 群像としてのまとまりもよい。

仏像リンク
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モデル並みの非常にプロポーションの良い不動明王像。力強さとしなやかさその両方を兼ね備えた最強の不動明王という印象です!目や髪型が全体的に丸みを帯びていて、超人的な存在を多くの人にもたらしたんだろうなと想像が駆け巡ります。個人的にはこの像はかなり見応えありました。

不動明王
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薬師如来坐像 西楽寺(袋井市)

1軀 木造(一木割矧造り)、 漆箔 平安時代後期·12世紀

解説文

頭部は盛り上がって2段となり(肉醤相)、朱色の玉をつける(肉髻珠)。縮れ毛を粒状に彫り出す(螺髪)。眉間には白い毛が円形の突起となり(白毫)、耳たぶ(耳梁)は環状とする。首には3
本の筋(三道)を彫り出し、左肩から衲衣をまとう。左手に薬壺を載せる。右手は前に出し、第3-4指を軽く曲げる。右足を外にして結跏趺坐する。彫りの浅い衣文表現や、奥行きの薄い体の表現から、定朝様が流行する平安時代後期の作と考えられる。

西楽寺薬師堂に平安時代中期から後期の作と推定される日光菩薩立像・月光菩薩立像とともに安置されるが、これら両脇侍は本像と比較してその像高が非常に高く、もとは別の像の脇侍で
あったと考えられる。

仏像リンク
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平安後期に入ろうとする過渡期の如来像ですね。雰囲気は全体的にふっくらしていて仏像の持つ緊張感や力強さそのようなものとは反対の穏やかなゆったりとした雰囲気を醸し出しています。

そんなに日々に力を入れなくていいんだよ」「疲れたら少し休んでいいんだよ」こんなことを言ってくれそうな癒やし系男子な薬師さんでした。

釈迦如来坐像 普門寺(豊橋市)

木造(一木割矧造り)、漆箔 平安時代後期·12世紀

解説文

頭部は盛り上がって2段となる(肉相)。縮れ毛を粒状に彫り出す(螺髪)。

耳たぶ(耳朶)は環状で、首には三本の筋(三道)を彫り出し、左肩から納衣をまとう。左手を上にして前方へ差し出し(与願印)、右手を前に出し、第3-4指を軽く曲げる(施無畏印)。 左足を外にして結顕鉄坐する。

平安時代後期特有の優美な姿を見せるが、頭と体を一材から彫り出している点が、この時期としては珍しい。東三河地方の山間部には巨木が多く、大きな仏像を一材から彫る風潮が
平安時代後期においても残ったのだろう。漆や金箔の下に眉や髭、唇の朱色が確認でき、もとは素地の仏像であった可能性がある。一旦首を割り離さない点も、元が素地像であったためと考えられる。

仏像リンク
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2階の展覧会会場に入ってすぐのところに展示されるこちらの釈迦如来像。何と言っても大きな大木がそのまま仏像として表現されたかのような力強さみなぎる釈迦如来坐像です。解説では優美と表現されていましたが個人的な感覚から言うとこの力強さは「親方」と言えるべき存在感。何でも俺に任せとけ!と言ってくれそうな頼りがいのある雰囲気です。

 

阿弥陀如来坐像 普門寺(豊橋市)

1木造(一木割矧造り)、 漆箔 平安時代後期·12世紀

解説文

頭部は盛り上がって2段となり(肉髻相)、朱色の玉をつける(肉髻珠)。

縮れ毛を粒状に彫り出す(螺髪)。耳たぶ(耳梁)は環状で、首には3本の筋(三道)を彫り出し、左肩から納衣をまとう。

両手とも人差し指を親指につけて輪をつくる(定印)。人差し指と親指の間には、水かきのような膜(縵網相)が確認できる。右足を上にして結助鉄坐する。

流れるような衣文の線、体薄く平坦な造りから、平安時代後期の定朝様をもとにしたものと考えられる。脚部の衣文は、本来本像が座っている裳懸座の衣文と連続するように彫られている。

如来は人々が理想とする悟りを開いた姿を現し、人々を苦悩から救う役割をもつ。阿弥陀如来、釈迦如来、薬師如来等があり、肉替や螺髪、出家した質素な納衣姿等の外観的特徴をもつ。ただし、方広寺の釈迦如来坐像のように、 髪の毛を頭上に束、宝冠をかぶり胸飾りや瓔珞等の飾りを身に纏う例外も存在する。

こちらは物販コーナー!田中ひろみさんの書籍コーナーや展覧会図録ポストカードの販売などがありました。

 

一緒に行った子供達は仏像ポストカードに釘付け。二人とも長楽寺の馬頭観音がお気に入りだったようで二人とも同じものを買ってました(笑)

 

個人的な感想は、していうなれば浜松には魅力的な仏像があるので、もっともっと取り上げてもらいたかったなという本音。特に浜松市内の光禅寺の大日如来はもう一度出会いたい仏像の1つです。とはいえこの浜松を中心にしたエリアだけでこれだけの展覧会を開催できるのはさすがですね!

また今回展覧会会場は美術館だったこともあってか非常にライティングにこだわりを感じたのはよかった点です。ライティングひとつで仏像が見せる表情が変わりますよね。

 

ということで浜松市美術館「みほとけのキセキ-遠州・三河の寺宝展」の訪問レポートでした!意外と開催期間は短いので、しっかり計画を立てて訪問してくださいね。

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浜松市美術館「みほとけのキセキ -遠州・三河の寺宝展-」

開催期間

2021年3月25日(木)~4月25日(日)

開催地

浜松市美術館

住所

〒430-0947 静岡県浜松市中区松城町100−1

電話

053-454-6801

拝観時間

9時30分~17時00分 ※月曜定休

拝観料金

  • 一般…1,200円(前売り960円)
  • 高校・大学・専門生…800円(前売り640円)
  • 小・中学生…無料

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