【展覧会レポート】栃木県立博物館 特別展「中世宇都宮氏頼朝・尊氏・秀吉を支えた名族」


秋の小雨の降るなか栃木県宇都宮市にある栃木県立博物館で開催されている特別展「中世宇都宮氏頼朝・尊氏・秀吉を支えた名族」(会期:2017年9月16日(土曜日)~ 2017年10月29日(日曜日))に行ってきました。

 

 

栃木県立博物館の常設展の展示方法は少しかわっていて日光東照宮のあるあたりからいろは坂を登り、中禅寺湖周辺そして日光白根山の山頂の高低差、そしてそこに生きている動植物をぐるぐると螺旋のように上っていく展示方法がされています。この方法はスペースも省略可され、なおかつ高低差による自然や動物の変化も感じることができてなかなか画期的です。

 

ぐるぐると登っていき日光白根山の山頂部分に到着すると、博物館の2階に到着します。

2階が特別展の入り口。入り口でチケットを渡して中に入っていくと、ここが栃木県立博物館か?!と思うくらい、たくさんの人がこの特別展にやってきていました。

 

展示の中程に仏像を集めたのコーナーがありました。私は特に気になったのは以下の3点です。

 

まず栃木県と茨城県の県境の笠間市にある、岩谷寺の薬師如来立像(国の重要文化財)。展示されている仏像の中でもひときわ高さのある薬師如来で、この特別展のある意味、顔にもなっているような仏像です。

 

実は自分は2011年の冬にこの岩谷寺を訪問していました。

2011年訪問時

 

その直後に襲ってきた東日本大震災によって収められている仏像の一部が破損したとの新聞記事を読んで、かねがね仏像の被害を心配していましたが、この日目の前に現れた薬師如来は仏像の表現としてはおかしいかもしれませんが、とても元気な姿を見せてくれていました。

図録より

 

つぎに気になったのは木幡神社の馬頭観音像です。ピンク色に彩色されたい髪の毛はパンクバンドをミュージシャンを連想させました。表情もどこかロックバンドで絶叫しているような表情にも見え、演奏中の仏像なのかもしれないなぁ~なんて思いました。

自分の子供は馬頭観音の左右にある顔がついていたことがとても気になったようで、右にも左にも顔がついてるよ!と興奮気味のご様子でした。この馬頭観音はもともと八臂の腕がついていたと考えられているそうで、もしそうであればとても珍しい馬頭観音になります。

 

図録より

 

最後に真岡市専修寺からやってきていた国の重要文化財である顕智上人坐像の仏像です。

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普段はなかなか近くで拝むことができない仏像で、この展覧会ではガラスケースを挟んでいましたがとても近く表情を垣間見ることができました。いざ対峙してみると、生々しく生きているかのような表情でリアリティーの追求がなされて、それは東大寺の重源像に近いものを感じました。

図録より

円慶という仏師が製作に携わっていたことがわかっています。仏師の来歴は定かではありませんが名前に「慶」という文字を用いていることから慶派の仏師であると考えられています。

ここでご紹介した仏像以外にも多くの仏像が展示されていました。栃木県立博物館は私が幼い頃から何度も何度も通ってきた博物館。そのような博物館で自分が心惹かれる仏像と出会った事とてもよかった。会期の終了まで残りわずかですが、もし行ける方がいらっしゃればぜひ多くの方に訪問していただきたい展覧会でした。

 

以上、仏像リンクの展覧会レポートでした!