【3分でわかる仁和寺展/行ってきた!】東京国立博物館 特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」2018年1月~3月


現在開催されている特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」の見どころや歴史についてご紹介いたします。

いよいよ上野国立博物館で 仁和寺展がスタートし、開催初日に訪問することができました。今回はその模様も含めて仁和寺展のレポートです。これから訪問しようと思っている方などぜひご参考いただけたら幸いに思います!

★注目情報★ 見仏入門にて仁和寺の特集記事を書きました!より詳しく仁和寺についてふれ、展覧会に出展されない仏像もご紹介しております。この記事とあわせてお読みください。

【見仏入門】No.7 京都・仁和寺の仏像/国宝阿弥陀三尊像、薬師如来坐像など
 仁和寺(にんなじ)は、京都西北部にある皇室ゆかりの寺院です。遅咲きの桜「御室桜」や庭園の美しさでも良く知られている寺です。世界文化遺産にも指定され、訪れる...

 

 

全国から貴重な仏像が東京で拝観できる機会、ぜひ多くの方に訪問していただきたいと思っています★

 

仁和寺とは、仁和寺はどこにある?仁和寺のアクセスや見どころ

 

京都の西、御室にある仁和寺は平安時代から桜の名所として有名で、兼好法師の徒然草にも登場する真言宗御室派の総本山です。

 

866年に光孝天皇の勅願によって伽藍の造営が始められますが光孝天皇はまもなく崩御され、その後宇多天皇に引き継がれて888年に金堂が完成し、仁和寺が誕生します。

今回出展される国宝の阿弥陀如来像もこの金堂が完成した当時の本尊と考えられています。

 

宇多天皇は譲位した後に仁和寺で出家して、お寺の中に住房(御室)を設けて真言密教の修行を始めます。御室とは「室(僧坊)」に「御」をつけたことに由来しますが、次第に仁和寺の別名になって、その後さらにこの辺の地名にもなります。

 

豆知識ですが、体重計や体温計で有名な「omron(オムロン)」もこの地名の御室(おむろ)から名付けられています!

関連画像

仁和寺には皇室からの出家が相次ぎ、皇室との深い関わりを持ちつつ真言宗広沢流として醍醐寺の小野流とともに真言宗二大流派となります。

 

現在春に「桜まつり」が開催される名勝「御室桜」は、古都京都の文化財として世界遺産に登録されています。

 

仁和寺へのアクセスは京福電鉄北野線御室仁和寺駅に降りて徒歩3分。またはJR京都駅から市バスやJRバス御室仁和寺で降りてすぐのところです。

 

仁和寺は多くの仏像が所蔵されている霊宝殿は春と秋の一定期間でしかご開帳されないため、仁和寺で仏像を堪能できる期間は限られてしまっています。

 

しかし仁和寺と日本各地にある真言宗御室派寺院の秘宝仏像の展覧会が2018年に冬に東京国立博物館で開催されます!

特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」について

仁和寺展の開催日程(開催期間)・開館時間

開催期間は2018年1月16日(火) ~3月11日(日)です。

開館時間は9:30~17:00 ただし、金曜・土曜は21:00まで開館となります。

 

運慶展が11月26日まで開催されており、その次の展覧会がこの仁和寺展です。

 

仏像をメインとした特別展が立て続けに開催されるのは近年では久々なのではないでしょうか。個人的にはとてもうれしいです。

どこでやってるの?!開催場所について

まず仁和寺展が開催されているのは上野にある東京国立博物館の平成館になります。平成館はトーハクの象徴的な建物である本館からは向かって左奥の建物です。平成館に入ってすぐのところにチケット売り場があり、エスカレーターで2階に上がると次のところが第1会場、第2会場と別れています。

結論から先に申し上げると第1会場は書物や図像がメインとなっており、第2会場が仏像メインの展示となっています。

私の記憶が確かならば第1会場は仏像が一つもありませんでした。時間がない!仏像をたっぷり堪能したいということなら第2会場からスタートしている してもいいかと思います。

仁和寺展の展示替え

 

展示替えが発表されました!くわしくはこちらをクリックください!

仏像的にはほぼ全ての仏像が展示替えなく期間中は拝観できますが、

今回の主役ともいうべき葛井寺の千手観音像が2月14日から3月11日までの展示となります!

 

仁和寺展の拝観料(観覧料)

仁和寺展の拝観料は以下の通りです。

 

一般

【当日】1,600円

【前売】1,400円

【団体】1,300円

大学生

【当日】1,200円

【前売】1,000円

【団体】900円

高校生

【当日】900円

【前売】700円

【団体】600円

★中学生以下は無料です

 

※金額はすべて税込みです

※団体は20名以上が適用対象です

仁和寺展を割引料金で鑑賞するには?

一般の方で割引が適用できる方法としては

 

・東博の会員制度を利用する

仁和寺展だけではなく東京国立博物館の他の特別展や常設展を何度も楽しめる方はこの方法がよいと思います。仁和寺展には国立博物館のメンバーズパスポート(友の会)への入会もご検討してみてください。特別展への無料チケットが最大6枚ついてきます!またメンバーズパスを利用すると常設展は何度でも訪れることができます。くわしくはこちらの記事をチェックしてみてください。

【活用術】メンバーズパスを無料ゲットも?全国の国立博物館(東京・奈良・京都・九...
 仏像をめぐる上では全国にある国立博物館で開催される特別展のチェック&訪問も欠かせません。また特別展だけでなく常設展で展示される仏像も、周期的に展示替えとな...

・ヤフオクやメルカリなどのオークション、フリマサイトを利用する

などがあります。

・前売り券を購入する

誰でも手軽に割引のメリットを得られる方法です。開催期間開始後は販売されなくなりますのでお早めに購入しておきましょう。

仁和寺展の前売りチケットは?

仁和寺展の前売りチケットは2017年11月1日(水)~2018年1月15日(月)の期間で

「セブンチケット」「ローソンチケット」「チケットぴあ」「イープラス」などで購入が可能です。

販売価格は上記にご紹介したとおりで1,400円となり、通常で入るよりも200円ほど安くなります。

しかし最大700円引きになる方法があります。それは今回、前期・後期の展覧会チケットがセットになった早割り前売券が発売されます。

最大700円安くなるチケットなので前期と後期の両方を確実にいきたい!という方にはお得なチケットです。

<1,600円(当日券)✕2回 =3,200円2,500円(差額700円)>

このお得なチケットはセブンチケット限定での販売です。

その他、300名限定で拝観+大講堂での講話がセットとなった

プレミアムナイト(プレミアム拝観)が下記の日程で開催されます。

1月24日(水) 18:30~21:00

2月14日(水) 18:30~21:00

ただこれは拝観券が6,000円とちょっと高めなので購入するには勇気がいりますが

ゆっくり楽しみたい方や講話を聞きたい方、ちょっとリッチな気分で拝観したい方は購入するといいでしょう。

仁和寺展には巡回はある?

仁和寺展に巡回はありません。開催期間中に東博に訪問するしかありません!あっ行き忘れた!とならないよう、予めしっかりと訪問スケジュールをたてましょう!

 

仁和寺展の混雑予想

個人的にはさほど混雑しないのではないかと予想しておりましたが、葛井寺の千手観音が展示されるようになり、かなり混雑するようになってきました!

(あくまで個人的な予想なので外れたらごめんなさい…!)

仏像ファン目線で言えばとしてはこれだけ質が高く、また拝観難易度やレアな秘仏が集まる機会はそうそうない機会、そして自分の予想どおりさほど混雑しなかったら、混雑せずに貴重な仏像を堪能できる展覧会となるため、必ず拝観すべき展覧会といえます。結構本気です。

あくまで個人の意見ですが展覧会が成功するかは葛井寺の千手観音が一般の人に広く受け入れられるかどうかな気がします。やはりあの真数千手のインパクトは一般の人の心にもわかりやすく届く可能性があると思います。

 

私としては仁和寺展には成功してもらいたいと思うので、自分の予想がいい意味で裏切られることを期待してます。

仁和寺展に展示される主な作品(仏像)

 

※このページの写真や情報は仁和寺展の公式サイトより引用しています

 

国宝・阿弥陀如来坐像(京都・仁和寺)

 

通常は阿弥陀三尊像として霊宝殿に祀られています。作風から見ると888年に仁和寺の金堂が創建された当時の本尊と考えられています。ヒノキの一木造りで後頭部と背中から内刳りが施されていて、乾漆を盛り上げて作られています。平安時代の後期になっていくと柔和な阿弥陀如来像がたくさん作られるようになりますが、この古い阿弥陀如来像が作られた時期は、まだ柔和だけじゃなく一木の仏像がもつ重量感も感じさせてくれ、力強い仏像を印象付けてくれます。現在お寺では春と秋にのみ期間限定公開されています。

訪問してみた感想:主役ともいうべき阿弥陀三尊像。想像よりも引き締まっており特に勢至菩薩に比べて観音菩薩の方がシュッとしている印象を受けました。中尊の阿弥陀如来は大きな体躯が特徴的で是非左側から覗いてがっしりとした体格を堪能しすることができました。

国宝・千手観音坐像(大阪・葛井寺)

2月14日からの展示

普通の千手観音は「千手」と言いながらも実際には1,000本の手は無く、40本の手がそれぞれに25の世界を救うと置き換えられ本当に1,000本の手があるものは少ない状況です。しかしこの千手観音は見ての通り本当に千本の手をもつ仏像でものすごいインパクトを放っています。それぞれの体は大変細く葛井寺の千手観音が仁和寺展に出展されると聞いた時「この仏像をほんとに東京に持ってくることができるの?!」ととても驚きました。現在は毎月18日にのみ葛井寺で御開帳される秘仏で、通常は厨子の中に入っていてなかなか全体の姿が見ることが難しいため今回の展覧会でどのように展示がされるかにもよりますが個人的には大変楽しみにしている仏像です!

国宝・薬師如来坐像(京都・仁和寺)

 

円勢・長円作 平安時代・康和5年(1103) 京都・仁和寺蔵

2月14日(水)~3月11日(日)展示

 

わずか10センチ余りの日本で最も小さな国宝仏像です。この薬師如来は霊明殿の秘仏本尊です。空海が請来したと考えられている北院の旧本尊が1103年に焼失してしまい、同じ年に復興された仏像がこの薬師如来と考えられています。作者はお寺の記録から、この頃の院や天皇の仏像制作に活躍した円勢・長円の親子であったとわかっています。仏像は白檀によるいわゆる檀像で、光背には日光菩薩月光菩薩と七仏薬師が、さらには台座には十二神将が彫りだされていてとても小さな仏像の中にたくさんの仏像が彫られ、職人技の粋を集めた仏像とも言えるでしょう。

 

昭和61年の調査で初めて後会長となり国宝に指定されました。現在も秘仏のため決まったご開帳サイクルはありません。ぜひこの展覧会で拝見したい国宝の仏像です。

 

国宝・十一面観音立像(大阪・道明寺)

 

大阪道明寺の十一面観音です。こちらも葛井寺の千手観音と同様に毎月18日のみのご開帳をしています。私も過去何度か訪問していますがとても繊細な衣紋の彫られれ方をしていて、大変美しい観音様です!なんとなくですが男性よりも女性に人気が出そうな気がしています★

重要文化財・馬頭観音坐像(福井・中山寺)

 

仏像リンクのオフ会でも訪問したことがある、福井県小浜地方の中山寺と言うところに祀られている馬頭観音です。鎌倉時代の特徴である写実的な様式を残す馬頭観音で、憤怒の怒った表情をしていますがとても洗練された印象を感じさせる仏像です。馬頭観音の脇面を見れるのが、今回楽しみです!

重要文化財・千手観音坐像(徳島・雲辺寺)

 

拝観の難易度で言うと今回、仁和寺展の仏像の中でもトップクラスにある仏像ではないでしょうか。

 

雲辺寺は徳島県の山奥にあるお寺で四国88カ所霊場のお寺のひとつです。お寺の本堂の裏手にある収蔵庫の中に国の重要文化財である毘沙門天立像とともに並んで祀られている千手観音です。

 

普段は秘仏になっていて決められたご開帳サイクルはありません。おまけにお寺もロープウェーで登るほどとても遠い場所にあり、ぜひ今回の機会で拝んでおくのがいいと思います!

訪問してみた感想:徳島県山上からわざわざきた雲辺寺の仏像。どの像も若々しい表情で溌剌としてる。レア度でいったら特級の仏像。横から三尊が一列に並ぶ姿は格好良さが倍増したのでぜひ横から眺めるのが吉!

重要文化財・如意輪観音坐像(兵庫・神呪寺)

 

兵庫県の神呪寺の如意輪観音は日本三大如意輪観音に数えられていて、毎年5月18日1日限りの開帳です。わたくしも日程がなかなかあわず、今回ご紹介した仏像のなかでは唯一まだお会いしたことがない仏像です。実際写真をみると木の肌がうつくしく、どちらかと美少年な仏さまって感じがします。実際にはどんな姿、仏像なのかとても楽しみな如意輪観音さんです!

訪問してみた感想:本来は5月18日1日限りでご開帳される如意輪観音で今回最も楽しみにしていました。実際にお会いしてみるとどこか興福寺阿修羅像に似ているような気がしたり脇から見ると腕の付け根が長ネギに見えたりして色々と面白い発見がありました!

国宝・三十帖冊子(京都・仁和寺)

※通期展示、帖替あり、1月16日(火)~28日(日)限定で全帖公開

 

空海が中国での留学中に真言宗の経典や修行の方法など重要な事項を直接記した冊子です。橘逸勢も書写したと言われ、空海さん自身が書いた箇所についてはいろいろな諸説が伝わっていますが、まだ日本ではあまり有名ではなかった無名時代ともいうべき留学時代の空海の書風を伝えている極めて重要な遺品と言われています。

その他気になった仏像

広島・大聖院/不動明王坐像(平安時代 10世紀 )

訪問してみた感想:以前宮島に行った時に小さな窓からなんとか覗き込んで姿を拝んだ記憶が蘇りました。仁和寺展ではかなり間近で見ることができたました!全体的なバランスが素晴らしく間近で見ることができてとてもよかった像。元は仁和寺にあったんだそうな。

 

香川・屋島寺/千手観音菩薩坐像 平安時代 10世紀

訪問してみた感想:香川県屋島に伝わる千手観音。いつもはガラス張りの展示室に祀られているのであまり気づかなかったけれども、今回かなり間近で拝観できたことによって腕がかなり前にせせり出てきている発見ができました。

 

福井・明通寺/降三世明王立像&深沙大将立像 平安時代11世紀

訪問してみた感想:今回の展示の中で最も大きな仏像、第5章の中盤頃に現れます。明通寺はすごーーく昔に行って記憶がややぼんやりなのでまた行きたくなりました!

 

三重・蓮光院/大日如来坐像 平安時代 10世紀

訪問してみた感想:10世紀にさかのぼる三重県の大日如来。プリミティブな顔付き、かなり一木感あふれる身体つき。大日如来っぽくない大日如来。以前、友人たちとわいわいと蓮光院さんを訪ねた思い出。

 

龍華寺金沢文庫管理・菩薩坐像(奈良時代8世紀)

訪問してみた感想:乾漆作りの菩薩坐像、近年になって発見され以前オフ会で訪問した思い出。乾漆造像が神奈川にあるのは不思議に思っていたけど、今回元々はこの像が奈良にあったもので、それが明治時代に伝わってきたということが判明してスッキリ。

 

 

仁和寺・悉達太子坐像 院智作(1252)


訪問してみた感想:釈迦族の王子で出家する前の王子様の姿を表した像。
鎌倉覚園寺の薬師如来のように衣が台座の横にはみ出して全体として三角形を描くような 均整の取れた造形でした。

仁和寺・吉祥天立像 /10世紀

まるでホビットの帽子をかぶったような 吉祥天は初めて見た。吉祥天は女性の 姿で表すことが多いけど比較的男性的な印象を受けます。腰つきが弓のような曲線を描いている、でも正面からは均整が取れていて不思議な印象を持ちました。

以上いかがでしたでしょうか。

 

しかし仁和寺展にいらっしゃる仏像はこれだけではありません!

うえでご紹介したのは今回出展される仏像のほんの一部です。

また仏像だけでなく、たくさんの書物や仏画も展示されており、充実の展覧会でした!ぜひ仏像やお寺に興味がある方は一度行っておいて損はない展示であることは間違いありません!ぜひいってみてください。

以上、仏像リンクの個人視点による特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」の見どころのまとめでした。

 

仏像リンクの下記のページでは、日本各地の仏像展覧会のご紹介と展覧会ならではの仏像の楽しみ方をご紹介しております。こちらをご参考にしていただきつつ、ぜひ何度でも足を運んでみてください。

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