冬の柔らかな陽気に包まれた12月末、三重県伊賀市にある金泉寺を訪れました。この年、年末にも関わらず、気温は15℃近くまで上昇し、冬ながらも温かな日差しの中での訪問となりました。
このお寺に仏像があること自体は把握していたものの実際には拝観できるか事前には不明でしたが、思い切って訪問することにしてみました。
訪問したところ幸運にもちょうど住職が門前にいらっしゃいましたので、拝観の依頼をしてみたところ、快く受け入れてくださいました。
律宗の寺院にはしばしば「結界石」が建てられる。伊賀国比自岐の金泉寺にはこの結界石が残されている。 pic.twitter.com/tvC38XyN6p
— 老犬斎 (@Tkd048Tkdknj) May 24, 2015
金泉寺の場所・アクセス方法
金泉寺は三重県伊賀市に位置しています。
住所は〒518-0105 三重県伊賀市比自岐2848です。
金泉寺へのアクセス方法は駅からも遠いので可能であれば車かタクシーがよいかと思います。もし公共交通機関で行く場合、忍者列車で知られる伊賀鉄道を利用しましょう。
伊賀鉄道の上林駅が最寄り駅となります。上林駅から金泉寺までは、徒歩で約50分の距離にあります。このルートは、かなーり大変ではありますが伊賀地方の自然を楽しみながら散策できるため、訪れる人々にとっては、ただの移動時間以上の価値があります。
歩くことが困難な方や、時間の制約がある方は、タクシーを利用することもできますが、事前に地元のタクシー会社に確認しておくことをお勧めします。
金泉寺の拝観方法・拝観環境・料金

金泉寺への道は、ちょっとした気合が必要なルートでした。お寺自体は山の麓に位置していることはナビでわかっていました。グリーンロードを通ってこの寺院へと降りていく道に差し掛かったところ、ナビゲーションに案内される道路は細く曲がりくねっておりさらに草木が鬱蒼と茂った道。「あちゃー、これは行けそうにないな」と判断して、その道で通ることをあきらめ、大回りでお寺への集落に入っていきました。
集落に入ってからも車一台がようやく通れるような道。ナビに従って細く曲がりくねった道を進み、最後のカーブは曲がるのにかなり苦慮しました。大きな車での訪問はなかなかに難しそうです。
本堂に入ると、半丈六の大きさの釈迦如来坐像が中央に安置されており、その迫力ある姿には圧倒されます。かなり近くで拝観できますのでじっくりと仏像の細部を確認することができました。
金泉寺の歴史・由来

金泉寺の歴史ははっきりとはわかりませんでした。
金泉寺は伊賀四国巡りの第十八番札所です。伊賀四国巡りは、四国八十八箇所巡りを模した巡礼路です。
金泉寺のご詠歌には、「豊かなる 比自岐の里に 湧く泉 寂静に 映す
牟尼の月影」という美しい言葉が込められています。この詠歌は、寺院が存在する比自岐の里の自然の美しさと、その中で静かに湧く泉、そして牟尼(釈迦)の月影を静かに映すその静寂を表現しているのではないかと考えられます。
金泉寺の仏像(釈迦如来坐像)について

金泉寺に安置されている釈迦如来坐像は、高さが142.9cmという迫力のある大きさで、檜材の一木造りで作られています。内刳(うちぐり)の技法によって精巧に彫られ、漆箔と彫眼の技法が用いられており、その細部に至るまで繊細な仕上がりとなっています。2024年現在伊賀市の市指定重要文化財となっています。
面白いのは、この仏像が元々は弥勒仏かもしれないって話があるんです。釈迦像とされていますが、元々は弥勒仏とも考えられており、平安末期の作とされます。
個人的に最初に持った印象は、鼻筋の通った顔立ちとやや大きめの頭部です。像の左手は地にふれる形をしており、そのゆったりとした優雅な姿勢は釈迦如来の心の余裕が感じさせます。また、顔立ちは若々しく感じました。品のいい家の出の青年、まさにシャカ族の王であったゴータマシッダールタを想起させるようでした。
釈迦如来像に向かって左側には不動明王、右側には地蔵菩薩が立つ配置が取られています。

特に注目したのが、衣紋の表現。すごく緩やかで、鎌倉時代の厳しい様式とは違って、室町時代の柔らかいスタイルのように感じました。

金泉寺の拝観料金、時間、宗派、電話など
正式名称 | 牛草山金泉寺 |
宗派 | 真言律宗 |
住所 | 三重県伊賀市比自岐2848 |
電話 | 0595-37-0506 |
拝観方法 | 電話での事前相談がよいかと思います |
拝観料金 | 志納 |
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地域タグ:三重県の仏像
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