スサノオ【福井県某所/薬師如来坐像】


 細い路地の突き当たりにある広場で車が止まり、鳥居をくぐって深い緑の 山へと続く石段を登っていく。この時期は蚊がたくさん飛んでおり、蚊に意識を向けながら歩かなければならない。石段を 5分ほど歩き少し汗ばんできた頃に神社の本殿とその隣に薬師堂が現れた。

薬師堂の後ろには大きな風車が日本海から吹き付ける風を受け、くるくると回っていた。薬師堂の扉は先に到着していた管理人さんの手によってすでに開かれており、薬師堂の中央に白い顔の薬師如来が薬師堂の外からも見ることができた。

 薬師如来は この神社の牛頭天王(スサノオノミコト)の本地仏の仏像であると考えられている。薬師如来は平安後期の面影を残す薬師如来で、左手てに薬壺を持ち、右手は施無畏印を ポーズをしている。

 この薬師如来の最大の特徴はなんといっても、頭部とタイプの アンバランスな造形である。 タイプの 大きさに対して頭部が異様に大きい。案内をしてくれた藤川さんは頭部と体部はもしかしたら別の仏像であったものの、何らかの理由によって付け合わせたのではないかと話をされていた。

 

 子供のような雰囲気を残す薬師如来は、凄まじい怪力や横暴な性格であったと語りつがれるスサノオノミコトのイメージとは遠くかけ離れていたが、末っ子気質であったスサノオノミコトの性格を反映していたりするのだろうか。

薬師如来の両脇には二天がまつられており、こちらも薬師如来同様に少しおどけるような個性的な表情をみせていた。

 

 山を降りたときには、脚に無数の蚊によってもたらされた吸血跡が残っていた。かゆい。。