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【ひさびさ!】仏像ブラ参り10月レポート(武蔵国分寺&安養寺)

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10月10日(日)8ヶ月ぶりに仏像ブラ参りを開催しました〜!!

今回はゆったりと2ヶ寺をめぐりました。毎年10月10日にご開帳される武蔵国分寺薬師堂と日野市の安養寺です。

10月10日は目の愛護デー“目の日”だそうなので、この日に薬師如来さまにお参りしたら特に目の病にご利益があるかも知れませんね!

9:45に西国分寺駅に集合。なんかもう、秘仏に会うよりも仏像好きのみなさんに久しぶりにお会いできた事の方がテンション上がってしまいました(笑)

恒例の自己紹介タイムでは、仏像を好きになったきっかけやこの秋に会いに行く予定の仏像などをそれぞれ紹介していただきました。

 

久しぶりの開催にも関わらず、初参加の方も数名いて嬉しいかったです!

午前中に参拝したのは武蔵国分寺です。

西国分寺の駅から徒歩15分くらい。一般の参拝はお檀家さんの法要が終わってからという事で、先に武蔵国分寺跡資料館へ向かいました。

 

武蔵国分寺跡資料館は、かつて国分寺があったこの土地の歴史や出土品などが展示されています。当時の伽藍を再現したジオラマは奈良の平安京を想わせます。奥のお部屋に白鳳の金銅仏が展示されていました。

 

都内でも最古級の聖観音さまで、都と各国府を結ぶ古代の幹線道路跡から出土されたそうです。

聖観音立像

東京都指定文化財

白鳳期後半

像高28.4㎝

 

資料館を出て、国の史跡になっている武蔵国分寺跡を散策しました。

国分寺は、聖武天皇が国家鎮護のため全国に命じて建てたお寺ですが、武蔵国分寺跡は全国的に見ても規模が大きく、国分寺と国分尼寺がセットで確認されている歴史的にも貴重な史跡なんだとか。

武蔵国分寺は8世紀半ばに建てられましたが、鎌倉幕府滅亡の節目といわれている新田義貞vs北条泰家の「分倍河原の戦い」で焼失してしまいました。後に新田義貞が金堂跡付近に薬師堂を再建したのがはじまりです。現在の薬師寺は江戸時代になってから移築されました。

 

こちらは金堂跡です。須弥壇の中央に大きな薬師如来坐像と日光月光菩薩立像がいらっしゃって、四隅には四天王。奈良の新薬師寺のような十二神将も祀られていたのでしょうか?今はなき仏たちを想像するのもロマンですね〜。

 

さて、いよいよご開帳の薬師如来さまに会いに行きます。年一回のご開帳ということもあり、雨の中でも絶えず参拝者が訪れていました。

 

 

薬師堂に入ると、薄暗いお堂の中に浮かび上がるような薬師如来さまのお姿を発見!中央の厨子の中に大きな薬師如来さまがいらっしゃいました!

 

 

薬師如来坐像

国指定重要文化財

平安時代末期〜鎌倉時代初期

像高195㎝

痛みが激しいせいなのか、お顔の表情がややわかりにくくなっていますが、丸い肩と左右に張り出した逞しい膝が古仏の雰囲気を醸し出していました。

 

薬師如来さまの脇侍には、日光菩薩さまと月光菩薩さまがいらっしゃいました。こちらは後から造られた室町時代の作です。

 

 

 

そして、さらにそのお隣には江戸時代の十二神将が並んでいます。目が大きめでちょっとアニメチックな十二神将像にほっこり♪

 

 

この空間にいると、自分が都内にいる事をすっかり忘れてしまいそうです。都内で平安時代にまで遡る薬師如来さまにお会いできるのは武蔵国分寺だけかも知れません!

高幡不動駅で午後から参加する方々と合流し、多摩モノレールで日野市の安養寺に向かいました。

 

安養寺は多摩モノレールの「万願寺」駅から徒歩5分ほどのところにあります。万願寺というお寺は現在はないですが、安養寺の前身となるお寺だったようです。

安養寺は、正式には田村山安養寺といい、この辺りを治めていた豪族の田村氏が開祖であるといわれています。また、田村氏の居館跡ともいわれているようです。

 

庫裏から案内していただき中へ入ると、まるで古民家のようなオシャレな客殿がありました。そして、本堂の奥にはグランドピアノがあり定期的にコンサートなどが開かれているようです。しかも、地下にはコンサート専用のホールもあります。

 

ご住職のお話を伺ったあとは、いよいよ内陣に入り仏さまを目の前で拝観!

金箔が剥がれて黒っぽいお姿の阿弥陀如来さま。衣文が省略されているせいか、全体的につるっとした質感にも見えます。

阿弥陀如来坐像

・東京都指定文化財

・藤原時代(11世紀後半)

・像高90cm

藤原時代の寄木造のお像で、一木造りから寄木造りに移行していった時代に造られたそうです。関東では、寄木造りの最も古様を示す阿弥陀如来さまです。

 

いわゆるTHE定朝様!という顔つきではなく、ほんの少し彫りの深いイケメンな阿弥陀如来さまでした!

そして、須弥壇の端には腰をグイッとひねった毘沙門天さまがいらっしゃいます。

 

毘沙門天像

日野市指定文化財

藤原時代末期

像高132cm

 

安養寺は日野七福神の一番札所になっており、こちらの毘沙門天さまが札所のご本尊さまです。

七福神めぐりのシーズン中は山門近くの薬師堂に移動され、薬師如来さまのお隣でメインでお祀りされるそうです。

 

参加者の皆さんが話題にしていたのは、この腰つき!

仏像リンクメンバーのゾゾタケさんのサイトには「 サタデーナイト毘沙門天」なんて表現されていますが、

まさにそれ!ジョントラボルタではないですか(笑)

 

横から見ると身体の厚みがけっこうあってボリューミー。お顔は後補のようですが、個人的には京都あたりにいそうな都会的な顔つきに感じました。チャンスがあれば、いつか日野の七福神めぐりもしてみたいです。

 

最後に、お厨子の中にいらっしゃる大日如来さまを拝観しました。智拳印を結ぶ金剛界の大日如来さまです。

 

立像の大日如来さまにお会いするのはかなり貴重…!

しかも、鎌倉時代に造られたお像とのことなので二重に驚きです。

大日如来立像

鎌倉時代

像高40.8cm

今回のブラ参りは8ヶ月ぶりの開催でした。実は7月に開催を試みてみたものの、再び感染者の増加がみられたので大事をとって中止する事になりました。

それから数ヶ月が経ち、世間が感染予防対策をとりながら少しずつ日常を取り戻しつつあり、遠方に旅行する人なども増えてきたので、今ならブラ参りを開催できるかも知れない…!と、気持ちを奮い立たせて企画したのでした!

まだまだ不安が残る中でも大勢の方が参加してくださり、温かく迎えてくださってとっても嬉しいかったです。みなさんが仏像に見惚れている姿や感動している姿を見て、開催できて良かった〜!と、思いました!