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東京国立博物館で「運慶展」開幕!60年ぶりの弥勒如来と国宝仏像が勢ぞろい

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上野の東京国立博物館で、いよいよ特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」が始まりました。
実は仏像リンクとして、ちょっと早めにメディア向けの内覧会にお邪魔してきたんです。その時の様子を、今日はゆるっとレポートしてみようかなと思います。

会場はトーハク本館1F。そこには鎌倉時代を代表する大仏師・運慶が手がけた国宝仏像たちがずらり。

なかでもハイライトは、やっぱり弥勒如来坐像。なんと約60年ぶりにお寺の外に出るんです(噂では昔東京のデパートの展示にほんの一瞬出たらしい)。そして忘れちゃいけないのが、あの“哀愁ブラザーズ”無著・世親像。彼らがこちらを見つめている姿は、ほんとに生きてる高僧みたいでドキッとします。

さらに会場の空間演出がすごいんです。トーハクの学芸員さんが「当時はこんな雰囲気だったはず」と想像を重ねに重ねて、北円堂の内陣を再現。

そんなわけで、これから少しずつ運慶展の見どころをちょっとご紹介していきますね。

運慶とは?日本一有名な仏師のすごさを解説

運慶(うんけい)って仏像好きでなくても名前、歴史の授業でも一度は聞いたことあるんじゃないかなって思います。12世紀末から13世紀にかけて活躍した、日本史上でも屈指の仏師です。個人的にはナンバーワンと言っても過言ではないかも。

運慶のすごさは今回、実際に間近で作品を見てきて「やっぱりすごい…」って改めて思いました。

基本はきちんと押さえているのに、その上で自分の理想を仏像にぶつけてくる感じ。大胆なんだけど繊細。なんだろう、漫画家でいうと井上雄彦っぽいタッチに近いかもしれません。

有名どころでいえば、奈良・東大寺南大門の金剛力士立像(阿形・吽形)。あの迫力ある仁王さんです。他にも東大寺俊乗堂の俊乗上人坐像、和歌山の金剛峯寺にある八大童子立像などなど。名前は知らなくても、「あ、見たことある!」って思う人は多いはず。

実際に目の前に立つと、ただの仏像って感じじゃなくなるんですよね。まるで呼吸をしているような眼差しとか、スポーツジムのマッチョたちも驚くような筋骨隆々の天部像とか、今にも「よく来たね」って話しかけてきそうな表情とか…。思わず足が止まってしまって、しばらく動けなくなる。そんな体験をさせてくれるのが、運慶という人のすごさなんだと思います。

では、今回の展覧会で出展されている運慶作品を見ていきましょう

展示仏像の見どころ

弥勒如来坐像(国宝)― 未来を見つめる穏やかな眼差し

今回の展示の“主役”といっていいのが、この弥勒如来坐像。北円堂の本尊であり、運慶晩年の代表作とされています。

衣のひだの流れや陰影が本当に自然で、木じゃなくて布なんじゃないかと思ってしまうくらい。静かに未来を見つめるその表情には、気づけばこちらも吸い込まれてしまいそうでした。

そして今回の寺外公開は、なんと約60年ぶり。そう聞くだけでもう特別感がすごいんですが、実際に目の前に立ったとき、会場のざわめきがふっと消えていくような静けさを感じて、「あ、今この仏像と視線が合ったかもしれない」って思わず息をのみました。

個人的に印象的だったのは、斜め前から見上げた瞬間。ポスターで見たあの眼差しとまったく同じ構図がそこにあって、「あ、これだ!」と胸が高鳴りました。写真じゃ伝わらない距離感や立体感があって、弥勒がすぐそこに座っているんだと実感できたんです。

特別展のなかでもこの一体に会えるだけで来た甲斐があるな…そんな風に思わせてくれる仏像でした。

無著・世親菩薩立像 ― 高僧がそこに立っているよう

インド仏教の高僧をかたどった無著と世親の二体。運慶の作品の中でも特にリアルさが際立っていて、思わず「これ、本当に木でできてるの?」って目を疑ってしまうほど。皺の深さや瞳の光り方まで生々しくて、近くに立つとブラザーズの息が聞こえてきそうな気さえしました。

正直、無著世親像をこんな近くでじっくり見られるなんて、これまでなかったんじゃないかな。教科書や写真では何度も見ていたけれど、実物の迫力は比べものになりません。しかも近寄ってみると意外に大きい。思わず「うわ、でかっ」と心の中でつぶやいてしまいました。

そして会場では弥勒如来を挟んで左右に並ぶ形で展示されていて、その光景が本当に圧巻。まるで北円堂の空気をそのまま持ってきたみたいで、歩きながら「あ、今自分は祈りの場に足を踏み入れてるのかもしれない」って錯覚しました。とくに後ろからのアングルがおすすめ、こんなアングルは興福寺でも見られないので、この展覧会ならではの楽しみ方だなって思いました。

静かにそこに立っているはずなのに、なぜか存在感が圧倒的で…。しばらくその場を離れられなかったのは、きっと私だけじゃないと思います。

 

四天王像 ― 鎌倉武士の気迫を映す守護神

甲冑をまとい邪鬼を踏みつける四天王像は、迫力満点。筋肉の張りや衣の翻りに生命感があふれています。近くで見ると「これは武士の像じゃないか?」と思えるほど。鎌倉時代の空気を映し出す守護神たちに囲まれると、自然と背筋が伸びるような気持ちになりました。

今回展示されている甲冑をまとい邪鬼を踏みつける四天王像は、普段は興福寺の中金堂に安置されているもの。実は近年の研究で「もともとは北円堂に安置されていた仏像なんじゃないか」という説が有力になってきていて、しかも運慶一門の作と考えられているんです。そう聞くだけで、展示の意味がぐっと重みを増しますよね。

像を目の前にすると、鎧をまとったその姿は圧巻。筋肉の張りや衣の翻り方が生々しくて、まさに運慶が活躍した鎌倉時代、つまり武士の時代を象徴するような武士らしい四天王の姿。鎌倉時代の空気そのままを映しているようです。

そして、近くでじっくり見ると細部が本当に面白い。個人的にツボったのは胸の真ん中を通るチェーン模様。え、これ木で彫ってあるの?鉄のチェーンじゃなくて?って二度見してしまいました。しかも、よく見ると四天王たちは邪鬼を足で踏んでいないんです。代わりに、その邪鬼の姿が胸のマークの中に閉じ込められている。守護神としての力を胸の奥で封じ込めているみたいで、なんだか胸熱ポイントでした。

堂々と立ち並ぶ四天王の前に立つと、守られているような安心感と同時に、試されているような緊張感もあって。どちらも感じさせてくれるのが、この像のすごさなのかもしれません。

体験型の「祈りの空間」へ

北円堂の空間がまるごと再現され、展示を眺めるというより、「祈りの場」に足を踏み入れたような感覚になります。

実際の北円堂では少し距離があって見づらい部分もあるんですが、この展示では近づいて細部までじっくり確認できるんです。「あ、ここまで寄れるんだ!」とちょっと得した気分になりました。この配置は主催者の方の話でも結構アツく語っておられ、展覧会の主催者側の“こだわり”を感じます。

訪問してみて思った個人的におすすめは、四隅に配置された四天王像越しに中央の弥勒如来や無著・世親を見る、というのもおすすめ。それぞれの四天王が“守ってやんよ!”って意気込みがすごくて、守られている空気感を感じながら見る弥勒さんの光景は同じ空間でも何度も新鮮な驚きがありいろんな表情を楽しむことができます。

そしてもう一つのおすすめが音声ガイド。広報大使の高橋一生さんが穏やかな声で解説してくれるんですが、この声がまたいいんですよね。柔らかくて落ち着いていて、作品の前に立っていると本当に“導かれている”ような気持ちになります。高橋さんのインタビューや記者会見の話を聞くに、高橋さんも結構仏像好きっぽいですぞ、、!!

運慶展のグッズ、気になる3選

展示を見終わったら、つい寄ってしまうのがグッズコーナー。ここでも思わず長居しちゃいました…。今回の運慶展(特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」)で特に印象に残ったアイテムを3つご紹介します。

1. 公式図録 ― 写真と記録で“祈りの空間”を持ち帰る

展覧会といえばやっぱり図録。今回の公式図録はB4判サイズという大判です。弥勒如来坐像や無著・世親立像、四天王立像まで、展示仏7体が60ページ以上にわたって収録されていて、図録というよりも写真集と言ってもいいと思います。

しかも撮影は気鋭の写真家・佐々木香輔さん。X線CT調査や像内納入品の記録まで掲載されているので、新しい図録のあり方を感じます。

2. 増長天コインケース ― お財布に四天王を忍ばせる

次にご紹介したいのは「増長天コインケース」。価格は1,320円(税込)と手に取りやすいのに、デザインは本格派。四天王立像「増長天」の甲冑をモチーフにしていて、さっきも紹介した増長天の胸に刻まれている邪鬼?が描かれています。

ショップには他にも四天王をテーマにしたグッズが揃っていて、アクリルキーホルダーやクリアファイルなんかもありました。

3. 四天王Tシャツ & みほとけ心月輪Tシャツ ― 着て楽しむ運慶展

最後はTシャツ。四天王Tシャツはフロントに多聞天、バックに増長天をドーンと配置。着て歩いたら、なんだか自分も“四天王の一員”になった気分になれるかも?

そしてもう一枚、「みほとけ心月輪Tシャツ」。仏像大好き芸人のみほとけさんのデザインの逸品。背中にはサンスクリット語で「心月輪」と描かれていて、月輪のデザインはなんと運慶研究の第一人者・山本勉先生のアドバイスも入っているそう。こういう細部にストーリーがあると、ただのTシャツじゃなくて“語れるTシャツ”になるのがいいですよね。

まとめ ― 今だけの運慶体験を東京で

東京国立博物館で開催中の「運慶展」。弥勒如来坐像や無著・世親菩薩立像、四天王像といった国宝仏がずらりと並んでいて、特別な空間でした。普段は遠くからしか見られない仏像を、こんな近くで細部までじっくり眺められるなんて、そうそうない機会かもしれません。

会場は北円堂の空間がそのまま再現されていて、四天王ごしに中央の仏をのぞき込む角度も楽しめます。祈りの場に自分が静かに招かれているような、不思議な感覚に包まれました。

この秋の東京でしか体験できない、運慶が築いた“祈りの空間”。足を運んでみたら、きっとあなたの心にも何か残してくれるはずです。

東京国立博物館 運慶展の会期・チケット概要

  • 展覧会名:「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」
  • 会期:2025年9月9日(火)~11月30日(日)
  • 会場:東京国立博物館 本館 特別5室(上野公園)
  • 開館時間:9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
  • 休館日:9月29日、10月6日・14日・20日・27日、11月4日・10日・17日・25日
  • チケット:一般 1,500円(前売り・学生割引あり)

 

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