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仏像なひとびとインタビュー!第1回のゲストは観音ガール、まめかなさんです!

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今回より仏像にたずさわる仏像なひとびとインタビューをお届けしたいと思います。

第1回目となる仏像なひとびとインタビューは、仏像リンクのメンバーであり観音ガールとして滋賀県長浜の観音さまの情報を発信する、まめかなさんです!

 

どんな話が聞けるのかお楽しみに。

 

東京生まれ東京育ち、会社を辞めて長浜へ、そして観音ガールになる

どんなお仕事をされていますか?

 

もともとは東京出身東京育ちでしたが仕事を退職し、滋賀県長浜市に移住して観音ガールとして仏像をつうじた地域に携わる仕事をしています。

 

具体的には長浜にはお寺や仏像がとても多くあり、それらの情報を発信していくことがメインのお仕事です。しかし仏像やお寺の情報発信以外でも、それらの仏像を守る環境を知ってもらいたいと考えています。

 

そのために現在は長浜の人々を訪ねて、どのような文化や歴史、お祭りがあるかをヒアリングしています。そして地域のお祭りや仏像が見てきた景色、それを守る人々のことも多くの人に知ってもらえたらと思っています。

 

黒田観音寺の准胝観音さんは目が合わない

あなたの好きな仏像はどなたですか?

 

 

地元長浜市内にある黒田観音寺の准胝観音、伝・千手観音さんです。仏像好きの視点としてはどっしりしていて、観音さんにしては個性的な顔立ちをしています。

 

そして何よりも惹かれるポイントとして、この観音さんと視線が合わないところにひかれてしまいます。

 

多くの仏像は拝む人々と目線が合うように作られていますが、なぜかこの黒田観音寺の准胝観音さんは目が合わないのです。下を向いてるように見えますが、横から見ると上を見ているようにも感じます。観光協会さんが出している資料でさえ、目を閉じてしまっているように見えてしまうほどです。拝むとき、写真が撮られるたびに表情が変わって見えるんです!

 

我が子感覚。サポートしてあげなきゃ!という感覚が生まれています

長浜に住んでみて仏像との関わり方は変わりましたか?

 

 

 

仏像との関わり方は変わりましたね。今までは単純に好きな仏像と私という距離でしたが、うちの子感覚になっています(笑)小さな仏像はとても儚い存在に思えて守ってあげなきゃ!サポートしてあげなきゃ!という感覚が生まれてしまいますね。

 

助けなきゃ!と思う仏像がある一方で大きな仏像に出会うと、自分や長浜の地が観音さんに自然と守られているような感覚が生まれてきました。これが「ホトケ様に守られ、守らせていただく」環境なんだと思いました。

 

仏像に会っているという感覚よりも、地元のおっちゃんたちにお会いしている

 

長浜に住んでみて好きになった仏像はありますか?

 

 

 

先日東京上野にある琵琶湖長浜観音ハウスに来ていた余呉湖の湖畔沿いにある川並の聖観音さんや、源昌寺というところにあるお前立ちの85cmぐらいの聖観音さんがとても可愛らしく綺麗で好きですね。ちょっと子供のようなほっぺたを持っているところが特に好きです。

 


 

滋賀県全体で言えば滋賀県の仏像は地方とはいえ、大陸との関係性も指摘されるような美しい仏像も多いのですが、長浜の仏像はどこか地方色を感じる仏像がとても多いんです。

 

長浜の仏像に触れていると骨格やおでこから鼻にかけてのラインが、長浜市内の木之本や余呉のおじさん達の骨格にとても似ている気がします(笑)DNAか!と思ってしまいますね(笑)

 

そのためなのかもしれないのですが最近は長浜の観音さんにお会いすると、仏像に会っているという感覚よりも地元の「町の人たちにお会いしている」、という感覚になってきている気がします(笑)

 

でもこの感覚が今ではちょうどいいなと、しっくりきていると感じています。

 

 

観音ガールのきっかけは本当に地域の人々の役に立っているのか?という葛藤から

 

なぜ観音ガールになろうと思ったのですか?

 

 

仏像に関わる仕事がしたいと学芸員の道も目指しましたが、私にとって黒田観音寺の准胝観音さんの出会いによって変わりました。准胝観音とも伝・千手観音とも言われている黒田観音寺の観音さんの分類が、私の中ではどちらの名称も合っているという結論に落ち着きました。

 

学芸員になるとどっちの分類になるかなどを考えなければならないという印象があったので、わたしは仏像の専門家にとも違う、仏像との関わり合い方を目指すことにしようと思いました。

 

そして大学では社会経済史が専門だったため地域の作り方や地域コミュニティを強くするためには何が必要かな?!と、歴史からヒントを探して、自分のキャリアをどうしていくか考えました。その中で、地方創生事業を行っている東京の会社に就職しました。

 

その会社では地域に関するプロジェクトの立ち上げ方を学ぶことができ、地域活性のためにはどう進めていけばいいのかを学び、事業としてお金を生み出していく方法などを学ぶことができました。

 

しかしその一方で、実際にそこに住む地域の人との交流を持つことができていないと感じだしました。

そして自分の行っていることは果たして本当に地域の人々が求めていた活性化だったのだろうか?と疑問に思えてきました。

 

そこでその解決方法として地元に住んでしまうのが一番早いと考え、会社を退職し長浜へ移り住むことにしました。長浜で仏像に携わるお仕事をしていううちにいつしか観音ガールと呼ばれるようになりました(笑)

 

 

奈良よりも滋賀、滋賀の中でも長浜が熱かった

 

なぜ長浜に移り住もうと思ったのですか?

 

 

もともと仏像にたずさわっていきたいと考える中で奈良か滋賀に住みたいと思っていました。また滋賀の中でも琵琶湖の南側にある湖南地域に住むか、長浜に住むかということも悩んでいました。

 

最終的に長浜に住むと決定づけた理由としては、長浜に住む人々の仏像との接し方、仏さまに対しての想いが、他の地域よりも強いと感じたからです。

 

現在日本各地のお堂やそのなかの仏像の管理が難しくなっていることが課題として挙げられますが、長浜の人々は地元の仏像をどうやって守っていくかということを真剣に考えている人達が多いと感じました。

 

つまりは仏像をとても大切にしているという思いを感じることができ、そこの仏像とその人びとに惹かれ、長浜に住むと決めました。

 

なぜこんなに仏像を求めてくる人がいるのかピンときてない地元の人たち

 

どんな課題があるのでしょうか?

 

 

 

現在全国各地から多くの観光客や仏像ファン達が長浜にやってきます。

 

しかし長浜に住む地元の人たちの中には、なぜ地元の仏像がこれほどまでに多くの人を呼び寄せるのかいまいちピンと来ていない人も多く、なぜこれほどまでに長浜に人々が来ているのかを疑問に思っている人も少なくありません。

 

そこで私は外部だけでなく、地元の人々に対しても地域の伝統や文化がどれだけ魅力的なことなのか、その良さを伝える必要があると感じています。

 

 

観光客とも参拝客とも違う、「見仏人」

 

仏像リンクに最初に参加した時の感想を教えてください

 

正直こんな世界があるのかと驚きましたね。

 

仏像リンクに最初に参加したのは東京オフ会が開催された大学1年生の19歳の時でした。もともと知り合った方から仏像リンクの存在を聞いて、ここだったら良い出会いや良い情報が得られるかもしれないよ!と紹介を受けました。そして案の定とても良い出会いが生まれました。

 

それまではただお寺に行って仏像を楽しむだけの感覚でしたが、仏像リンクには様々な仏像との 関わり合い方を持っている人がいて、
仏像とのふれあい方や視野がとても広がりました 。

 

仏像リンクのメンバーの中には

西国三十三箇所霊場を何周も回ってる人がいたり、

何十年に1回のご開帳ということで飛行機に乗って遠くの県外に飛び立つ人もいたり、

仏像を実際に彫っている方がいらっしゃったり、

専門に勉強している方がいらっしゃったり、

お寺のご住職がいたりと

「仏像」と一つとっても様々な関わり合い方をしている人達がいると知りました。

 

私にとって印象的なエピソードとして、それまで私は文化財の特別公開は知っていたけれども、「ご開帳」という文化があることは知りませんでした。何十年に一度の御開帳があるということを目的に遠方から訪問しては何日も飛び回わるということは、当時の私の感覚からすれば想像できないことでした。

 

また観光客とも参拝客とも違う、その間にある「見仏人」という関わり合い方があることを感じました。

 

こういった体験を通じて仏像リンクに出会ったあとの大学生活の中では、平日は大学に通って、週末には奈良で仏像を巡る、そんな生活を送るようになりました。

 

仏像コーディネーターになりたい

 

今後はどのように仏像と関わっていきたいですか?!

 

 

できれば一生付き合っていきたいです。まずは地元長浜の仏像や文化財の情報発信をやっていますが、今後は仏像コーディネーターとして地元長浜の仏像や人々ともっと深く関わっていきたいと考えています。

 

特に仏像の管理に関して、地元の人々で仏像をお守りすることが難しくなってしまった時、あるいは大災害が起きた場合どのようにして仏像を保護して地域文化を伝えていくのか、
そういったことをコーディネーターとして地元の人たちが意思決定できる手助けをしていきたいと考えています。

 

 

色んな仏像の見方、仏像への関わり方を見つけていってほしい

 

仏像が好きな人たちに対して伝えていきたいことはありますか?

 

 

 

仏像が好きな人たちに対しては仏像の美しさだけではない色んな見方を考え、探していってほしいです。

 

たとえば、なぜ仏像をお守りされている人々が地元の仏像をこれほど慕っているのかということを一度考えてもらえたら嬉しいですね。

 

あくまで個人的な感想ですが、実際に美しい仏像も毎日ずっと見続けたら2ヶ月ぐらいで飽きてしまうと思うんですよ。だけれども長浜ではずっとずっと自分の地域の仏像を慕って拝み続けています。

 

きっと私たちの視点とお守りされている方の視点とが根本的に違うんです。仏像に対して色んな見方、関わり方があるということを考えてみたらもっと仏像をふか~く好きになれるのではないでしょうか。

 

試しにお守りされている方から仏像の好きだなっと思うところを聞いて仏像を拝観してみてください。今までとはちがった雰囲気に見えると思います。

 

まめかなさん、ありがとうございました。

以上、まめかなさんのインタビューでした。

 

仏像をきっかけに東京から移住し、長浜の観音さまのそばで仏像に関するお仕事をされるまめかなさんは、また違った仏像との関わりあい方が生まれているようでした。

 

そして観音の里ならではの課題も伺うことができました。仏像の保存や管理は日本のなかでこれからますます課題になってくと思います。そのためにも地元の人びとが自分たちの仏像を知ることが、その一歩というのは興味深いお話でした。

 

また仏像ファンにも、地元のひとびとがどういう気持ちで観音さまをお守りされているかなど考えると、より深く仏像を好きになれるとメッセージをいただきました。ぜひ実践してみたいですね。

 

私も数多くの観音さまが地元の人びとに大切に守られる長浜には、多くの方に訪問していただきたいと思っています。

 

特に10月中旬に開催される通称「観音フェス」と呼ばれる「観音の里ふるさとまつり」では長浜中の仏像が一斉にご開帳となるので、一気にたくさんの観音さまと触れ合うことができるのでおすすめですよ!

 

観音ガールことまめかなさんも、仏像リンクの参加をきっかけに仏像の世界が広がったそうで、私としても携わることができてとても嬉しく思います。

みなさんも仏像リンクで仏像の世界を広げてみませんか?

 

(撮影・元熊元)

 

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