東海の愛染(浄土宗寺院/愛染明王&愛知県豊橋市・赤岩寺/愛染明王)


愛知県の東部から静岡県の西部にかけてのお寺を仏像仲間の方々と一緒に回った。

某浄土宗寺院

まず最初に訪問した寺院は木造の愛染明王が祀られる寺院で、お寺の方の意向によってお寺の名前は出さないようにということで名前を控えての紹介となります。

 

本堂の左側に独特の防火設備が天蓋のようにもみえ、その中央に木造の愛染明王が祀られていた。

 

もともとは京都のお宮に祀られていたが明治の初めの神仏分離の際に、京都の浄土宗の寺院に移され、その後昭和6年にこの場所にうつされたものだと記録が残る。

 

鎌倉時代の作と考えられており、ヒノキの寄木造。元々は彩色が慣れていたが現在は黒々しい肌の彩色が目立っている。

 

 

仏像の印象としては全体的に非常にバランスが良い。彫りも適度に深く、厚みもある。しかし全体のシャープさは損なっていない。

 

 

体部の表現よりも頭部の立体表現が見事で、生き生きとした精力みなぎる愛染明王だ。

 

愛染明王の迫力ある表情と対比するように頭部に掲げられている獅子が何とも言えない可愛らしさ。虎の威を借る狐のごとく、弱々しい獅子の可愛らしさに心惹かれてしまった。

 

ご住職には本堂の奥にある納骨堂に案内してもらったのだが、こちらは供養の先導役となる阿弥陀如来の前には豪華なスワロフスキーによるシャンデリアがかかげられていた。これは残された家族が、故人の安息を祈ることができるよう、しっかりとした設備で弔うことができるようにするためだと御住職からお伺いをした。

 

 

赤岩寺

その後、訪問したのは蒲郡にある赤岩寺である。もともとこのお寺の後方にある山の愛宕神社の中に赤い岩あり、その岩にちなんでお寺の名前がつけられたのだが本来は山号として付ける予定だったが、記載の手違いにより、山号も寺号も「赤岩」となり、赤岩山赤岩寺と山号と寺号を持つ珍しい形になっているのだそうだ。

 

訪問した11月23日は愛染堂の本尊である国の重要文化財の愛染明王がご開帳されていた。

 

数年前にもこの赤岩寺には訪問していたのだが、訪問した後2011年にお寺の庫裏が火災にあってしまい、多くの宝物が焼失してしまった。その焼失した庫裏には現在焼失を免れた宝物が展示されていた。

 

庫裏を通って国の重要文化財の愛染明王のお堂にたどり着く。なつかしい光景だ。

国の重要文化財である木造の愛染明王坐像は、鎌倉時代の作であり像高95cm。

 

 

先ほど紹介した愛染明王と同じく魔物を覇気で制圧してしまうかのような表情が見事であるが、先の像と比べると丸々とした頭部になっており、それが若々しさ、少年らしさを感じさせる。

 

 

収蔵庫のなかには本尊である阿弥陀如来坐像や珍しい六地蔵の彫像も祀られていた。地元の住民であろうか、人々が途切れることなく普段なかなか見ることができない愛染明王を拝みに来ていた。

 

 

最後に庫裏のなかでお団子と抹茶のご接待をいただき、心もお腹も満腹になりお寺をあとにした。

 

 

寺院名

赤岩山赤岩寺

住所

愛知県豊橋市多米町赤岩山4

電話

0532-62-0012

宗派

高野山真言宗

本尊

阿弥陀如来